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新生花組の『ドン・ジュアン』新鮮な演出とキャストの魅力

宝塚歌劇を楽しもう

先日、新生花組の『ドン・ジュアン』を観劇してきました。

今回の公演は、セットや演出、衣装までが一新され、宝塚初演版とは一味違った新鮮さを感じるものでした。

特に外部の藤ヶ谷版の影響が色濃く反映されており、それでもなお、宝塚ならではの魅力を損なうことなく、まるで別の作品を観ているような面白さがありました。

たくさんのダンス、歌も満載で、兵士が撃たれるところのダンサーの扇子の使い方も斬新。
騎士団長のバックで踊る騎士たちのダンス、振り付けも非常によく、見応え満載の公演でした。

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永久輝せあさんのドン・ジュアン:燃える憎悪と新鮮な表情

ひとこジュアンとの距離感も絶妙で、各々の役者に合った素晴らしい演出がなされていると感じました。

ひとこちゃんのドン・ジュアンは、内からメラメラと燃え上がる憎悪や滲み出る色気が非常に魅力的でした。

前作や前々作での彼女の優しい印象とは対照的で、人を嘲るような表情が新鮮でした。

役に対する彼女の強い想いがひしひしと伝わってきて、感動しました。

星空美咲さんのマリア:美しい高音と男前なフラメンコ

星空美咲さんが演じるマリアも素晴らしかったです。

彼女の美しい高音と、1幕のラストでの激しいフラメンコが特に印象に残っています。

男前なマリアの表現が、ドン・ジュアンに情熱的にのめり込んでいく様子とリンクしていて、納得のいく演技でした。

希波らいとくんのカルロ

彼がドン・ジュアンに対して抱く「愛」は、初演や外部版とは異なり、彼がジュアンを諭し、苦悩する様子が強調されていました。

希波らいとくんのカルロは、彼自身が抱える複雑な感情を歌に乗せて表現しており、その歌声は素晴らしかったです。

また、専科のじゅんこさんや圭子姐さんの安定感の中で、希波らいとくんのカルロが光り輝いていました。彼のソロやカルテット、ひとこジュアンとの掛け合いはどれも耳が幸せになるほどのクオリティでした。

ラファエルからジュアンを護るシーンで少しだけ登場する殺陣では、希波らいとくんの長い手足がサーベルに非常に似合っていて、迫力満点でした。

個人的には、サーベル使いとしての彼を見て、スカーレット・ピンパーネルのショーブラン役を演じてほしいなと強く思いました。

綺城ひか理さんが演じる騎士団長

最後に、綺城ひか理さんが演じる騎士団長の冷酷さとタップの刻みには鳥肌が立ちました。

彼女の力強い演技が、毎公演あのリズムを刻み続けるという驚異的なスタミナを感じさせ、感動せずにはいられませんでした。

ジュアンを翻弄する姿が、まさに世界を動かす存在であることを表現していて、素晴らしかったです。

新生花組の『ドン・ジュアン』は、新たな演出とキャストの魅力が詰まった素晴らしい公演でした。

今後も、新生花組の成長と挑戦に注目していきたいと思います。