現在宝塚歌劇団月組の『ON THE TOWN』が梅田芸術劇場で公演中です。
その中でクレアという女性役を演じているのは夢奈瑠音さん。男役さんです。
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今回はなんと夢奈瑠音さん、女性タクシードライバーのヒルディ役の役がわりです。
残念ながら、今回の公演は見に行くことができませんでしたが、
東京国際フォーラムでの公演では、同じように男役の蓮つかささんがクレアという女性役を演じていて観劇できましたが、やはり、男役ならではの「強さ」があり楽しめました。
ということで、宝塚歌劇団では通常男役として日々芸を磨いているジェンヌさんたちが、役によっては「女性の役」をされることも結構あったりするのです。
日々男役として生きているジェンヌさんが女性役で出演されると、意外な魅力を見つけることができてこれがまたとても楽しいものです。
前の作品ですが、印象的だった「男役が女役を演じた作品」を紹介したいと思います。
雪組「Shall We ダンス?」
エラ(女性ダンス教師)役を演じた早霧せいなさんです。
女性ダンス教師というと映画版でいうと、草刈民代さんの役ですね。
私が宝塚歌劇を見始めたときにはすでに星組のトップでしたので、この作品をテレビで見たときは結構な衝撃だった記憶があります。
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早霧せいなさんのポスター姿、美しい。
早霧せいなさんの2番手時代の
本公演でヒロイン。今考えると、かなり珍しいかと。
2013年4月ベルサイユのばら オスカル役
2013年11月〜2014年2月 Shall Weダンス? ヒロイン
2014年3月ベルサイユのばら オスカル役 全ツ初主演
となんと約1年間、女性役を演じていたのですね。
宝塚の男役というと背が高い!という印象がありますが、実は160センチ代の男役さんも多いです。早霧せいなさんも男役さんの中では小柄な方だったので、全く違和感なく見ることができましたね。
しかし、普段やはり男役である姿が多く、舞台上にいる役を見て、私たちファンもちょっと混乱する瞬間があります。
えっと、男が演じてる女性? いや、女性だけど、男役だから、元に戻ってるだけ?
そんな面白さみたいな。
これが、もっと混乱するのが、女性寄りの男性役を演じる男役さんの場合。
瀬戸かずや 「蘭陵王」高緯役
この役は「女役」ではありませんが、
高緯という男性でありながら、女性言葉を使い、美しいものが好きで男性を愛する役。
体は男性であるが頭の中は女性。要するに「おかま」の役。
本当は女性である瀬戸かずや、そして男役を磨いてきた男役の中の男役。
とくに渋い大人の男役が似合い、染み付いている上級生。
そのザ、男役の瀬戸かずやが性別違和感を抱える男性を演じた。
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これは、男の役だけど本来は女性で、その女性が男役を演じて、その男役が女性っぽさを出し・・・?????????もう混乱してしまいます。
こういうときは、深く考えずにいやいや、もう何も考えずに、シンプルに劇の中に入り込んだ方がいいでしょう。
そんな、純粋なお芝居では考えもしないことが、宝塚では起きる。
これが、また男役が演じる宝塚歌劇の面白さ。