宝塚歌劇団を退団する星組トップ紅ゆずるを見てきて感じたことを少しつらつらと書きたい・・・。
タカラジェンヌになるんだとたくさんの子供達が宝塚歌劇団を目指す。
宝塚歌劇団に魅了される年齢は、小学生なら早い方だと思う。
中学生や高校生になって初めて観劇して、魅了されて、入りたい!思い、
そこから入団するには何が必要なの?と急いで調べて、「バレエ・声楽・ダンス」を始める子供達も多いと思います。
中学、高校から挑戦し始めて宝塚音楽学校の入学試験を受けるには、バレエ、声楽の訓練期間が当然短すぎる。
それでも入りたい!と大きな夢を持って、挑戦する子たちも多いと思います。
紅ゆずるさんの挑戦力
紅ゆずるさんも、宝塚受験の1年前からバレエを始めたという。
バレエや声楽を習った人ならわかると思いますが、小さい頃から習っている人たちのレベルに中高生から初めてもなかなか追いつけるものではない。
それでも挑戦したいと思う人。
自分で自分に可能性の壁を作らない人。
「どうせ無理」とか、そんなことを全然思わない人。
絶対大丈夫!と自分を信じる力。
そんな紅ゆずるさんを見ながら、我が身を振り返ると、なんて自分の可能性を信じないて、安全圏で生きてきたんだろうと反省することばかりです。
高校や大学や就職でも「ここなら受かりそう」というところばかりを狙って生きてきた。
「やりたいこと」なんて全然見ないで生きてきちゃったな〜と思うのです。
そんな私にとっては、紅ゆずるさんの生き方が本当に眩しい。
今日、書きたいことから少しずれてきてしまいました。
成長を見守る宝塚歌劇団の力
今日、書きたいことは、宝塚歌劇団ってどんな人を求めているんだろう・・・・ということ。
技術力でいうと、前の記事でも書いたことがありますが、決して紅ゆずるさんは技術の高い人ではなかった。
それでも、新人公演のスカーレットピンパーネルで主役を与えた劇団。
死ぬほど怒られたと紅さんはおっしゃっていますが、それでも何かを期待して紅さんに役を与えた。
もしそのときの技術力が重要ならば、他の人にその役を与えていただろう。
トップスターになってこれだけ多くのファンに感動を与えた紅ゆずるさんの今の姿を、その当時の劇団や演出家さんたちがちゃんと想定していたとしたら、劇団や演出家さんたちの人を見抜く力、引き出す力、引き出せる自信のすごさを感じる。
いや、トップになってこうなるということが、おそらく、わかっていたし、期待していたからこそ、あの新人公演のときにチャンスを与えたのでしょう。
しかもあの新人公演主演の2008年からトップ就任の2017年までの9年間。
9年という長い期間、急がず焦らず、ずっと紅ゆずるの可能性を信じて、成長を待ち、育ててきた劇団。
すごいと思いませんか?
またまた、自分に置き換えて考えてしまうけれども、自分が子供を育てるとき、そんなに長い期間、待てないよ。
今の子供の姿を見て、「できないならやめなさい!どうせできないんだから諦めなさい〜!」なんて平気で言っちゃう自分。
自分の子供にすら成長を待てない自分に、本当に反省ばかりです。
挑戦する姿をいつもジェンヌさんたちから教えてもらって
人を育てる姿を劇団から教えてもらっている。
ジェンヌさんへの批判
時々、ツイッターのタイムラインを見て感じることは、ジェンヌさんの批判投稿。
「歌下手、芝居下手、ダンス下手」
「なんであんな人が????」のような投稿を目にすることは日常茶飯事。
そんな批判もジェンヌさんたちは力に変えていく強い精神力も必要だと思います。
「くそ〜!」っていう力が次の成長に繋がっていくのですから。
「劇団は何を考えているの???」という投稿もありますが、
紅ゆずるさんの件でもう明確です。
間違いなく劇団側は、「今」ではなく「数年先」を見ているのですよね。
ジェンヌさんそれぞれ持っている魅力を引き出せる、育てる、待てる自信が劇団にはある。
「下手〜!見るに耐えない!」とか呟くのは、先を見る目がない。
待てない。「今」しか見てない。
そんな風に感じますし、私もそう感じたときは、反省するところです。
紅ゆずるさんが与えてくれた感動は、やっぱりこの成長を見守り、待ってくれた人たちがいたからこそ起きた奇跡。
宝塚歌劇団は、「技術力」も大事だけれどもやっぱり「成長を見守る」文化なのだと改めて思ったのです。
紅ゆずるさん、そして宝塚歌劇団。
色々教えて、魅せてくれてありがとう。
そして素晴らしい感動をありがとう。
「宝塚歌劇団・人材の育て方」みたいな企業セミナー見てみたいし、書籍化したら読んでみたい。