【宝塚歌劇団組別】勝手に今年の漢字一文字

2019年も気づけば残すところあとわずか。

年の瀬おなじみのイベントに、その年の世相を表す「今年の漢字」の発表がありますよね。

これは日本漢字能力検定協会が募集して決めるものですが、ここでは宝塚5組の2019年「今年の漢字」を、私の独断と偏見に基づいて考えてみたいと思います!

目次

花組:【 変 】

 2019年は花組にとって間違いなく「変」化の年でした。

4月にトップ娘役仙名彩世さんが卒業。そして11月には、トップオブトップであった明日海りおさんが卒業。花野じゅりあさん、芽吹幸奈さん、白姫あかりさん、桜咲彩花さん、乙羽映見さん、城妃美伶さんといった、花組を代表するような上級生娘役の方々も相次いで宝塚を旅立っていかれました。

 大変寂しいことではありますが、出会いがあれば別れがあるのが宝塚。卒業される方々一人ひとりの輝きが組に残り、それが塗り重ねられるたび色が「変」わっていく様は本当に美しいと感じます。

また、明日海さんに退団の花束を渡しに来た雪組・望海風斗さんの「生まれ『変』わっても一緒にやろうね」の言葉には、同期の愛と尊敬が詰まっていました。涙、涙です……。

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 新トップスター柚香光さん、トップ娘役華優希さんという新体制で、年明け早々にプレお披露目公演を控える花組。新しい組としての魅力的な「変」身が今から待ちきれません!

月組:【 美 】

 宝塚と東京の2手に分かれて2019年を迎えた月組。バウホールでは「美」弥るりかさん主演の『Anna Karenina』が上演されていました。

下級生時代の思い出の作品を素晴らしく演じ、光月組長から「宝塚の愛の巡礼」と称されていたことが印象的です。

美弥さんは6月に卒業されましたが、唯一無二の艷やかさと、姿・心の「美」しさは深く心に残りました。

東京で上演されていたのは、新トップ娘役「美」園さくらさんのプレお披露目公演『ON THE TOWN』です。

コケティッシュな魅力と緻密なお芝居、そして美脚が光っていました! 

公演を重ねるごとにトップとしての輝きが増している美園さん。

今年を締めくくる『I AM FROM AUSTRIA』では、颯爽としたハリウッド女優ぶりも見事です。

「美」丈夫という言葉がよく似合うトップスター珠城りょうさんを筆頭に、元気な姿で舞台に戻ってきた月城かなとさん、花組からカムバックした鳳月杏さんなど男役スターも揃い踏み。「美」しく充実した2019年でした!

雪組:【 家 】

 2019年の雪組の演目は、「家」族の繋がりが鍵を握る作品が多くありました。

 新年から上演した『ファントム』は、父から息子への慈しみ、母を思う心、そしてこのオペラ座こそが『home』と歌う真彩クリスティーヌの歌声に心が震えました。

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悲しい結末も、「家」族の愛ゆえに選ばれたものだと思うと涙が……。

「おもさげながんす」の台詞が耳に残った『壬生義士伝』でも、「家」族のために幕末の世を生き抜く吉村貫一郎の姿が胸を打ちました。

なぜか結ばれることができない作品に当たりがちな望海さん・真彩さんコンビですが、結末はともかく2人が順当に夫婦となって子供までいるというだけでファンとしては喜びがあります。

盤石な組体制で安定感のある舞台をつくり続ける雪組。大黒柱の望海さん、元気ママの真彩さんを中心とした雪組ファミリーに次はどんな作品が生まれるのか、今から楽しみです!

星組:【 端 】

星組ファンが今年の流行語大賞を決めるとするならば、間違いなく「超『端』正~」がノミネートされることでしょう! 

紅ゆずるさん・綺咲愛里さんの退団公演『GOD OF STARS―食聖―』は、お2人を始め組子それぞれの個性がみっしり詰め込まれた最高のコメディでした。

座付き演出家だからこそできる、愛ある作品に拍手、拍手です。

紅さんは決して成績上位の入団ではなく、遅咲きのトップスターでした。

その彼女が「私が諦めなかったのは、舞台のどんなに『端』にいても応援してくださるファンの皆様がいたから」そして「諦めなければ夢は叶う!」と語る笑顔は、何よりも美しく光っていました。

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そしてその光を受け継いだ礼真琴さん・舞空瞳さんの新トップコンビは情熱十分! 

プレお披露目公演『ロックオペラ モーツアルト』で実力と若いエネルギーを爆発させて大成功を収めました。年末のTCAスペシャルからは愛月ひかるさんも加わる予定で、新生星組は準備万「端」です☆

宙組:【 熟 】

真風涼帆さんと星風まどかさんのトップコンビが2年目を迎えた宙組は、持ち前のスタイリッシュな魅力がさらに円「熟」し、格好よさに磨きがかかっています。

『オーシャンズ11』では、層の厚さを活かして個性際立つ11メンバーを展開。

目がいくつあっても足りないとはこのことだとファンを困らせました。

また、若い娘を演じることの多かった星風さんが、美しい大人の女性テスとして現れた姿にはダニ―でなくともイチコロ! 

桜木みなとさんのベネディクトはニヒルな表情とドスの利いた声で、新しい魅力と迫力を見せつけていました。

若手とされてきた実力派のスターさん達も次々と「熟」して深みがましつつあるということを感じます。

公演中のショー『アクアヴィーテ(aquavitae)!!』は、ウイスキーがモチーフ。

「熟」成されたウイスキーのように、香り高く、大人の魅力満載の宙組が2019年を締めくくるにぴったりの作品ですね!

年末の大掃除では、公演パンフレットやチラシの整理に一苦労という方も多いのではないかと思います。

ゆっくりお掃除をしながら、1年の公演や出来事を振り自分だけの「今年の漢字」を選んでみてはいかがでしょうか?

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