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月組大劇場公演『桜嵐記』 序盤観劇レポ

初心者のための宝塚

みなさまこんにちは。

まだ5月というのに近畿地方も梅雨入り。
雨の中、花の道を歩き、久しぶりに大劇場に行ってきました。

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宝塚大劇場の様子

レストランは5月末まで休業中です。

ショップは5月15日から営業再開しましたが、キャトルレーヴは入店制限があり、時間指定の整理券をもらわないと入れなかったり、閉店は18時なので2回公演日のソワレの終演後には閉まっていたりと、緊急事態宣言下の措置がされていました。

劇場内のアナウンスや会場係の方による「おしゃべり控えてね」も、さらに徹底されているように感じました。

また劇場内では、開演前も、幕間も、ずっとオーケストラの楽器の音出しが響いていました。

これまで、こんなに音が鳴り続けていたことがあったかなあと思うくらいでした。何か目的があるのでしょうか。

個人的には、たとえメロディにならない音出しでも、生オケがいらっしゃる!という嬉しさがありました。

『桜嵐記』

オープニングで珠城りょうさん(長男)、月城かなとさん(三男)、鳳月杏さん(二男)が登場しただけで、「勝った!」と思う並びです。

そしてこの3兄弟の父ちゃん役が輝月ゆうまさん。
楠木家、ビジュアル・実力ともに最強です。

河内(かわち)弁の百姓・千海華蘭さん、公家の佳城葵さんと晴音アキさん、武将の風間柚乃さん、紫門ゆりやさん、夢奈瑠音さんなど、それぞれ役がピタリとはまって気持ちよく、初見ですんなり、いい作品だと思いました。

上田久美子先生の配役や脚本・演出のなせる業なのか、月組のみなさんと専科の一樹千尋さんの芝居力なのか。どちらもなんでしょうね。

同じ上田先生作のトップコンビ退団作品、雪組さんの『fff』とはまた全然違う印象で、流れる音楽の違いもおもしろかったです。

『fff』ではベートーヴェンの交響曲が流れ、ラストの歓喜の歌に沸きました。

『桜嵐記』では、太鼓と鉦(かね)の音に乗せて、千早赤阪の音頭が何度か歌われます。素朴な歌は、聞いたこともないのにどこか懐かしく、心を揺さぶられました。

トップコンビの姿

『桜嵐記』初見の驚きは、珠城りょうさん&美園さくらさんのコンビの新たな魅力を感じたことです。

楠木正行(まさつら)は、トップスター珠城さんに本当によく似合うお役でした。珠城さんの魅力は、こういうことだったんですね。前作『ピガール狂騒曲』もよかったですが、今回は男らしい男役です。

美園さくらさんは弁内侍(べんのないし)役。物語が進むにつれて、自然に感情移入していました。

上田先生は、花乃まりあさんには『金色の砂漠』タルハーミネ、真彩希帆さんには『fff』謎の女、美園さんには弁内侍と、娘役トップスターの退団公演でいつも素敵な役を贈られますね。

芝居の役として、組子に見守られるトップさん2人のコンビ感も自然に感じられ、幸せな気持ちになりました。

『Dream Chaser』

指揮者は芝居に続き、待ってました!の佐々田愛一郎先生。
オープニングでピンスポが当たって挨拶された時の拍手は、たぶん長めでした。

私が観劇したのは平日ソワレで、この状況下でチケット売り止めや払い戻しもあるのでしょう、たくさん空席がありましたが、その割には客席からの拍手はよく響いていた気がします。

この月組公演から、舞台上には組子全員が戻りました。

とにかく舞台上に人が多くて、気になるスターを探せない! 
この嬉しい悲鳴はいつぶりでしょう。
総踊りの迫力も声量も、全然違いました。

しかも生オケです。

ショーも全体通じて楽しく、特に目が足りなかったのはアルゼンチンタンゴ・ミロンガの場面です。今回は英かおとさん1択。誰かに振られた後、晴音アキさんを口説いて2人で色気たっぷりに踊っていました。

男役の黒燕尾も全然目が足りません。
前列一番下手の千海華蘭さんからオペラを外せませんでした。

別の場面で、オペラで踊る群衆を観ていると、何度も目に飛び込んできたのが春海ゆうさんでした。

生の観劇では、やはり新たな発見がありました。

おわりに

芝居・ショーともに、今の月組の充実ぶりの立役者は鳳月杏さんだなと、存在感に感服しました。

そしてですね、101期の彩音星凪さんと礼華はるさんコンビがさらに垢ぬけて、男役度が増していました!

新人公演でどんな姿を見せてくれることでしょう。とても楽しみです。

トップスターさんたちが挨拶でおっしゃる「1回1回の公演を大切に」が思い出される、貴重な観劇体験でした。

ライター:Dj heaven