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両極端な月組別箱公演「赤と黒」「出島小宇宙戦争」

宝塚歌劇を楽しもう

コロナウイルスによってマスクが品不足になっている現在、「最員の皆さんの体調は大丈夫だろうか」「どうか健康でいてくれますように」 と祈る毎日をお過ごしの皆様。

宝塚歌劇団、月組の別箱を観に行った者としては、 「ジェンヌさんたちは元気な姿で素敵な舞台を見せてくれました!」の一言に尽きます。

赤と黒』も『出島小宇宙戦争』も素晴らしい作品だったので、両方の感想を記しておこうと思います。

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「赤と黒」観劇

名古屋公演御園座にて、 久しぶりの重厚な物語がやってきた月組さん。

ジュリアンの生涯を追いかける『赤と黒』 という物語。

クラシカルな男役はお久しぶりの珠城りょうさんですが、似合いますね~!爽やかな役が多かったみんなのヒーロー珠城りょうさん、野心家なのめちゃくちゃ良いじゃないですか~!

恋に生きるの良いじゃないですか~!

プライドが高くて感情が激しめなのに精密機械のような静かさがあるところを細やかに演じていて、凄く魅力的じゃないですか~!

ぴんと伸びた背筋という件まいの美しさはさることながら、 珠城りょうさん、足がめちゃめちゃ長いなあと改めて思いました。

本当に、天性の男役体格ですね。

結末が結末なだけに、身分の格差についても考えられる深い作品ですが、そんな作品の中心であるジュリアンを演じた珠城さん、とても良かったです。

レナール夫人の美園さくらちゃん、めちゃくちゃ色っぽい大人の女性です。

人妻なんだなあ、と感じさせられ、背徳感にドキドキしてしまいます。

わかってはいるのに、さくらちゃん歌が上手で「さくらちゃん歌が上手~」と拍手したかったです。

苦労を知らないピュアなレナール夫人がぴったりはまっていて、さくらちゃんにはクラシカルな作品がとても似合うな、という新たな発見が出来ました。

涙するお役が多いさくらちゃん、今回も美しい涙を流していて、「笑顔にさせてあげたい…」 と心の底から思いました。私も胸が張り裂けそうでした。

ジュリアンの唯一の友達フーケと、コラゾフ公爵という二役を務めた月城かなと(れいこさん)。

フーケは爽やかでいい奴で笑いもとるお茶目な好青年です。

一方、コラゾフ公爵のれいこさんはただただ美しかったです。

「かっこいい~軍服かっこいい~」とこちらの目が勝手にきらきらしてしまいます。

生まれながらの気品ある顔はいつ見ても目に良いです。

格好いい月城かなとはこちらです、とばかりのロイヤルれいこさん。

長髪に軍服は卑怯なほど美しくお似合いでした。

歌もお芝居も、口を開いてくださるたびにスタンディングオベーションしたいほど良かったです。

月城さんの軍服は国宝級ですね。

爆発力の塊であるマチルドじゅりちゃん (天紫珠李)も、レナール夫人を気にかける優雅なはーちゃん(晴音アキ)も、からんちゃん(千海華蘭)とまゆぽん(輝月ゆうま)の匠具合も、結愛かれんちゃんの色気が凄いのも、百戦錬磨な貴公子蓮つかささんが美しいのも、すべてが最高でした。

それにしても月組さんは骨太な演技も、ストップモーションもお上手で、芝居を観たという実感に浸れて最高です!大好き!

そしてフィナーレなのですが、宝塚を全部詰め込んだ楽しいフィナーレ!

娘役さんの力強いダンス、ずっと見ていたいと思っていたら、ラフで格好いい男役さんたちの群舞がはじまり、「うわあ、良い~。ええ、 フィナーレめちゃくちゃ良い~。月組さんショーしましょう~最高だよ~」という感じで、あっという間にりりちゃん(白河りり)のエトワール。

男と女の激しい愛、これぞ THE 宝塚を物語とフィナーレで体現していた『赤と黒』でした。

「出島小宇宙戦争」観劇レポ(ネタバレなし!)

その一方で、愛にはいろんな形があるし、 結ばれることがすべてじゃないよとばかりの正反対と言っても良い作品、『出島小宇宙戦争』。

出島については、「あまりお話の内容を広めるべからず、宇宙人が誰かは知らせるべからず」というニュアンスのちなつさんの挨拶を教訓に、以下、ほとんどネタバレなしの、「出島最高です」という感想です。

まず、タイトルやあらすじが出た段階で察したように、 谷先生の、「やりたいことはこれなんです!」 「こういう世界観がつくりたかったんです!」 という、 こだわりが強く伝わってくる作品です。

だから、 歌や台詞もけっこう説明っぽいものが多く、人の心を動かそうとする作品というよりは、 物語の勢いについてきてください、 というタイプの作品でした。

でも、そこは芸達者な月組の皆様!

細部まで役作りをして私たちを楽しませてくれます。(よ!職人芸!)

なので感想は「楽しい!」の一言に集約してしまいたいです。

出島、本当に楽しかったです。

コメディなので、情緒などは置いといて、月組の皆様が面白いや可愛いを体現してくれている、みんなにいろんな見せ場のある作品になっていました。

ネタバレを控えたいので、役柄も衣装も関係性もポップでチャーミングだと想像していただけたら大丈夫です。

また、宝塚らしからぬ出島でしたが、こちらも宝塚感満載のフィナーレが最高です。

ちなつさんとくらげちゃんのデュエットダンス、すごい良いですね。

「わ~美しい~」と声に出なかった自分を褒めてあげたいです。

こんなにも素敵で、両極端な作品を完成させてくれた月組さんたち。

全員が集結する『WELCOMETOTAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』が今から楽しみで仕方がありません。
(ポスターの雰囲気にももめちゃくちゃワクワクしましたね!)

どうか、月組の皆さんが怪我無く、元気で千秋楽を迎えられますように!