スポンサーリンク

月組・華麗な日本物ショーと喜劇で厄払い

宝塚歌劇についての雑記

現在、東京宝塚劇場では宝塚歌劇団月組公演『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』が上演されています。

このコロナ禍に於いて、見て良かったと心から思える作品ですので、紹介したいと思います。

スポンサーリンク

『WELCOME TO TAKARAZUKA』

まずは『WELCOME TO TAKARAZUKA』ですが、月組としては100周年の「宝塚をどり」以来の日本物ショーということで、賑やかで艶やか、そして荘厳な作品となっています。

チョンパで始まるのがとても眩しくて、わくわくしますし、とても目に嬉しい風景です。

主題歌もひと昔、いやふた昔前によくあったような自画自賛とも言える「WELCOME WELCOME TAKARAZUKA」の繰り返しがおめでたい気持ちを増長し盛り上がりますね。

トップコンビ、珠城りょうさん、美園さくらさんの横顔の美にくぎ付けです。

宝塚大劇場では106期生の初舞台で口上の場面がありましたが、東京では二番手・月城かなとさんの「舞楽 越天楽」の場面に。

本当はオリンピック開催で外国からの訪問客も多かっただろう今年、だからこその「WELCOME」なのですが、コロナの発生、拡大で中止になったのでした。

雅楽の中でも知られたこの曲で疫病退散を願いながら舞う月城かなとさんがとても神々しく感じられました。

続く「雪の巻」は専科の松本悠里さんが雪の中で二度と帰らない男性を待つ悲しみを踊り、幻想的でとても心に響きます。

今回で退団される松本先生ですが、台詞はないのに躍りで心情を表現していて見事です。

また、幻として出てくる千海華蘭さん、春海ゆうさん、蘭尚樹さん、影ソロの白雪さち花さんも素晴らしい芸を見せてくれて感動します。

松本先生、これで退団とは……。伝統を残してほしかったです。

「月の巻」は先般亡くなられた花柳壽應先生が得意とされていた西洋音楽との融合。

和服でボレロが美しいです。

「花の巻」は鏡をモチーフに月城かなとさん、風間柚乃さんが少しユーモラスに、男役としての自我の目覚めを表して、お二人とも達者だと感心。

プロローグにかけては、人数の少なさを感じさせない豪華さで目の保養になります。

日本物は苦手、という方にも見ていただきたい作品です。

ピガール狂騒曲

『ピガール狂騒曲』はシェイクスピアの十二夜を基にした喜劇で、男女の兄妹が巻き起こす騒動という大まかな部分を残しつつ、パリの歓楽街ピガールに舞台を設定し、ムーラン・ルージュのショー世界を描き、明るく楽しい作品になっています。

まず驚くのは事情があってジャックと名乗り、男装することになるジャンヌなのですが、演じている珠城りょうさんが可愛いのです。こんなにキュートだとは。

驚くことに、と言っては失礼ですがどちらかというと男らしい体格の珠城さんの表情や仕草が可愛くて、見る度に愛おしさが!

そして劇場支配人・シャルルを演じる月城かなとさん。

最初は儲けることしか考えていないかと思ったのですが、ショービジネスを愛する素敵な支配人でジャンヌ(ジャック)との心の通わせ方がよく伝わりました。

作家・ウィリーの妻だけど、実はゴーストライターを務めるガブリエル役の美園さくらさんが、女性解放の象徴として彼女によく合った人物を生き生きと演じています。

他にはウィリーを鳳月杏さんが憎めない役にしていましたし、ダンサーのレオを暁千星さんが演じ、カンカンの場面を盛り上げました。ダンスは圧巻でフィナーレはロケットを兼ねてスッポンからの登場もして目立ちます。

そして問題のボリスを風間柚乃さんが演じ、どこにいても目が離せないキャラクターに。

劇場に入り込み、ガブリエルを見張るのですが、いちいち可笑しくて。

しかし、ずっと追ってしまうとカンカンシーンのさんを見逃してしまいかねないので要注意!

本当にすごい存在だと今回も改めて思わされました。

あと、ジャンヌの兄・ヴィクトールとして出てくる蒼真せれんさん、珠城さんにとてもそっくりでびっくりします。

以前も「十二夜」を月組で大和悠河さん、星組で彩輝直さん(現:彩輝なおさん)の主演で上演されましたが、大和さん版は花瀬みずかさんと二人で男女の双子を分けて演じ、彩輝さん版では兄役は後ろ姿での出演でしたので、ここまではっきりと兄妹が一緒に長時間並ぶのは初めてではないでしょうか。

お話は細かいこと言いっこなしの、とにかく笑って明るくなれるお芝居です。

皆さん役者が揃っていますので、台本通り、基本に忠実に脱線せず、大真面目に演じて面白いのが流石月組、と大変感心します。

日本物のショー、お芝居と、このような世の中だからこそ楽しめる作品になっていて、多くの方に見ていただきたい公演です。

きっと厄除けにもなるのではないでしょうか。

東京大劇場では現在も公演中ですが、コロナの増加に伴い、いつもならなかなかゲットできないチケットが購入できる状況になっています。

こんな時期ですが、まだ宝塚の世界を見たことがない方も、今回の月組公演は、どなたでも、楽しめる公演となっていますので、是非一度、劇場に足を運んでみてはいかがですか?