宝塚歌劇団星組では、2021年「ロミオとジュリエット」が再演されます。
2010年に星組で柚希礼音さん・夢咲ねねさんによって梅田芸術劇場、博多座にて初演され、
2011年に雪組で音月桂さん、舞羽美海さん、
2012年に月組で龍真咲さんと明日海りおさんによるWキャスト、愛希れいかさんで上演。
2013年に星組にて柚希礼音さん・夢咲ねねさんが再演を重ね、毎年のように上演をしてきました。
この度は前回の星組公演から8年ぶりとなる再演です。
過去のロミジュリ作品と礼真琴
ロミオ役で主演する礼真琴さんは初演では愛を演じ、入団2年目ながらロミオとジュリエットの運命をつかさどり、心情を表現するという大役を果たしました。
その後、どの組でも愛役を男役で配役していることをみると、
礼さんが、この役を男役として成功させたことが一因となっていると思います。
配役が発表された時には、まだあまり名前の知られていなかった礼さんが演じるということで、メインキャストながらもどういった演じ方をする生徒さんなのかよくわかりませんでした。
しかも日本版で初めて追加された愛という役も死とどのような関係で、どういった役割をするものなのか予測がつかなかったです。
しかし、ロミオ役の柚希礼音さん、ジュリエット役の夢咲ねねさんと共に、二人の愛に関わるパートを表現し、台詞が無いのに、その表情、体の動きで表す姿が素晴らしく、研2だということを忘れてしまうほどでした。
2013年には本公演で愛を再び演じ、役替わりではベンヴォーリオを演じるという快挙を成し遂げたのです。
愛は柔らかさをそのままに、舞台でいろいろな役を演じた分、初演よりも表現力が増していました。
ベンヴォーリオは見た目は少し幼く映りましたが、お芝居はロミオの親友として悪だくみをしたり、幼馴染として存在。
ジュリエットの死を伝える際の「どうやって伝えよう」での苦悩は、とてもよく伝わる名演技と名歌唱でした。
この役では他の主要キャストの中でも非常に歌唱力に優れ、素晴らしかったです。
また、この時の新人公演は初主演を飾り、ロミオを演じたのですが、抜きんでた実力で下級生らしからぬロミオを演じました。
海外ミュージカルの主役ということで、数多くのナンバーがありますが、見事に歌いこなす姿は今でも忘れられません。
特に「いつか」のまだ見ぬ何かに心躍る様子や、「世界の王」の若さはじけるナンバーから「僕は怖い」での死におびえる姿、「ロミオの嘆き」の忍び寄る死への恐怖の表現が秀逸でした。
そして、城妃美伶さん演じるジュリエットとの「エメ」も二人とも歌が上手く、演技力も秀でていて心に残っています。
礼さんと言えば、歌唱力の高さは有名ですが、技術だけでなく、感情を表現する力も備わっいて、基本の芝居の上手さがよくわかります。
2021年版ロミジュリは?
そして8年ぶりの今度の再演。
初演、2013年のものを観てきて、期待するなと言う方がおかしいです。
2013年から2021年までの間には「眠らない男」のウジェーヌや同新人公演でのナポレオンを演じ、「かもめ」でバウホールの主演を果たし、「風と共に去りぬ」では女役であるスカーレットを務めました。
お披露目公演の「眩耀の谷」「Ray-星の光線-」や全国ツアーの演目として上演の「エル・アルコン -鷹-」でも確かな演技と歌唱力、ダンスで魅了。
また、海外ミュージカルでは「ガイズ&ドールズ」ではアデレイド、「THE SCARLET PIMPERNEL」ではショーヴラン、トップとなった時のプレお披露目「ロックオペラ モーツァルト」ではヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、と重要な役を演じて好評を博しています。
このようにオリジナルお芝居、ショーでの活躍ももちろんですが、歌の多い海外ミュージカルでの実績があり、「ロミオとジュリエット」に期待が高まります。
そして、礼さんの相手役でジュリエット役の舞空瞳さんも歌、芝居、ダンスともに優れた能力があり、ビジュアルも合っています。
二人の相性も良く、とても楽しみです。
そして、脇を固める星組生も主な役に役替わりがあり、どの役をどの方で観劇しようかと、今から楽しみでワクワクします。
2020年は公演が中止されたりと波乱万丈でしたが、2021年はさまざまな作品が観られることを願っています。
そして星組の「ロミオとジュリエット」に期待していて、観劇を考えると本当に心弾みます。