配信予定続々発表!
宝塚歌劇団宙組『NEVER SAY GOODBYE』、星組『王家に捧ぐ歌』のライブ中継、配信が発表されました。
コロナ禍において遠征が難しくなり、自宅からでも楽しめる配信のありがたみを、ひしひしと感じています。
千秋楽のチケットが取れず、ライビュも無理で、スカステのニュースを食い入るように眺めていたのは、ほんの数年前のはずですが、隔世の感がありますね。
「王家の配信は千秋楽じゃないのか……」なんてがっかりも、少し前なら贅沢すぎる話です。
一昨年の春以来、エンタメ業界ではライブ配信が一気に充実しました。
コンサートでもイベントでも、当たり前のように家から楽しめるようになりましたね。
今年の「さっぽろ雪まつり」もオンライン開催になると聞き、驚きました。
舞台において、ソフト販売、オンライン配信など、自宅で楽しめるための企業努力の先駆けの一つは、間違いなく宝塚だと思います。
そんな宝塚の親会社、阪急電鉄の次期社長が「ライブ配信の拡充」について言及されていましたので、そのご紹介と、来たる未来の予想をしたいと思います。
最後までお付き合いいただければ、嬉しいです。
宝塚歌劇の有料ライブ配信の拡充
4月1日付で阪急電鉄社長に、嶋田泰夫常務が昇格されます。
複数のインタビューを拝見すると、宝塚に関して「有料ライブ配信の拡充」「新たなファン取り込みのための、配信の機会を増やす」という話がありました。
これまで以上の回数、配信されるという事でしょうか?
ロミジュリの役代わりをそれぞれ配信したような形式が、コロナが明けても行われそうで、期待が持てますね。
これまでにないケースですと、例えばスターさんの誕生日の公演の配信をして欲しいです。
「夢千鳥」で行ったディレイ配信が普及して、夜の落ち着いた時間に視聴できるようになることも期待されます。
また鉄道、ホテル、旅行会社、宝塚歌劇のファンなどの、顧客データを共通化し、将来的には宝塚のファンにお薦めの旅行ツアーを紹介することなどが、想定されているとか。
これはおそらく、宝塚歌劇共通IDのことですね。
HH cross Wi-Fiサービスにも使えるとのことで、今後も阪急内のサービスと連携していくのでしょう。
次期社長の描く未来は、すでに動き出しているようです。
NTTドコモの存在
「配信の拡充」を目指すというと、気になるのがNTTドコモです。
dTVでライブ配信に参入しただけではなく、貸し切り公演も始めるという力の入れようが、目立ちますね。
思い起こせばKITTEで行われた宝塚イベントでの、お衣装のAR試着もありました。
どんなポーズでも試着できて、撮影もできる「3D Dress-up システム」という素晴らしい技術です。
その第一弾に宝塚が選ばれたのは、布石だったのでしょう。
今年7月、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、エヌ・ティ・ティ・コムウェアが組織を統合再編することが、発表されています。
ここで気になるのが、NTTドコモにNTTぷららが吸収合併されるという点です。
NTTぷららの下にあるのが、ひかりTVです。
宝塚のオンデマンド配信で、ひかりTVとdTVが、将来的には一つになる可能性が出てきました。
フレッツ光などでも舞台を後援してくれた、宝塚とは付き合いの長いNTTです。
NTTドコモがさらに力を入れて宝塚のオンデマンド配信、ライブ配信に乗り出してくると、どんどん可能性が広がりそうですね。
「VERDAD!!」での、世界初の試み
礼さんの「VERDAD!!」では、実験的に「8Kウルトラズーム」を活用した配信と、「スーパーインポーズ」を活用した配信が、どちらも1000人限定で配信されました。
こちらもNTTドコモの技術です。
「8K ウルトラズーム」は、画面をスワイプ、ピンチインやピンチアウトすることで、好きなスターさんを大きくはっきりと見られるという技術でした。
こちらは世界初の技術です。
「スーパーインポーズ」は、VRの画面を視聴しながら、同時に2Dの別アングルも選択できるというものでした。
これらの試みは、もちろん実装に向けてのものでしょう。
配信の選択肢が広がる未来が、見えますね。
ライブ配信の価格競争は来るか?
dTVのライブ配信で気になるのが「会員価格」です。
他の配信サイトより安く視聴ができる、実質的な値引きです。
すでに大人気ミュージシャンのコンサートなどで、行われています。
現状、宝塚のライブ配信では目に見える形での値引きは行われていません。
ポイント還元、会員登録で割引チケットが発行されるなど、形を変えての値引き攻勢だけでした。
しかし今後は、新しい展開が来るのかもしれません。
ライブ配信の未来
宝塚に限らず、エンターテイメント全体で、今後ますますライブ配信が充実していくことでしょう。
配信があるのが普通という世界が、すでに始まっていますね。
これからのライブ配信は、技術や価格など、様々な選択肢から選べるようになるのかもしれません。
宝塚では配信日も増えそうですので、実験的な配信も行いやすくなるのではないでしょうか。
阪神淡路大震災の後、宝塚は「様々な事情で劇場に来られない人たちに、元気を届けたい」と舞台映像のビデオ販売を始めました。
当時は「そんなことをしたら劇場に人が来なくなる」と大反対があったそうです。
結果は、言うまでもありません。
ビデオがDVDやBlu-rayになり、ライビュは挨拶だけではなく、本編からすべて見られるようになりました。
それでも宝塚の劇場は、観客で埋まり続けています。
配信が増えたとしても、ファンはますます劇場に行きたくなるだけでしょう。
そして家庭の事情などで劇場に足を運べなくなった人が、再び行けるようになるまでのカスガイになってくれています。
宝塚の配信の未来が、楽しみですね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。