3月14日に無事、大劇場で千秋楽を迎えた宙組公演「Never Say Goodbye」。
4月2日からは東京公演がスタートします。
今回は、ネバセイを観劇して今の宙組に感じたことをまとめてみます。
宝塚歌劇×ネバセイは百点満点!思ったよりもラフに見られるストーリー。
私自身は2006年の初演は未観劇。
映像等でも見たことはなく、ネバセイに関しては全くの無知でした。
初演の観劇レポなどを調べてみると、「とにかく人が死ぬ」という意見ばかり。
もしかして不穏な作品…?と思ったりしていました。
これまでの観劇で、ある程度当時の時代背景の知識はありましたが、ストーリーについていけるかな?という心配も。
ですが、いざ観劇をしてみるとそれは全くの杞憂でした。
もちろん悲しい場面、重たい場面はありましたが、その場面があるからこそ華やかなシーンが際立って美しかったです。
真風さんのキザなセリフや潤花さんとの魅力的なキスシーンも堪能でき、そこはさすが宝塚歌劇だなと思いました。
「戦争ものはちょっと抵抗があるな」「宝塚初心者には重たいかな?」と思う方でも、そこまで気負いせずにラフな気持ちで見られると思います。
ストーリー自体も比較的わかりやすく、テンポ良く進んでいくのも有難かったです。
コーラスが素晴らしい!
とにかく宙組のコーラスが圧巻!真風さんの唯一無二の主役感
ネバセイの見どころと言えば、コーラスナンバーですよね。
噂にはかねがね聞いていましたが、宙組生のコーラスは大変素晴らしかったです。
一音もずれることなく、美しく重なったハーモニーに惚れ惚れとしてしまいました。
それぞれがそれぞれの眼差しで天を見上げ歌う姿は、ぐっとこみあげてくるものもありました。
真風さんの唯一無二の主役感
ネバセイを観劇して思ったのが、真風さんは“周りを引き立たせるタイプの主役”だということ。
お芝居は、脇役がいることで主役が際立つのが基本です。
でも今回は、真風さんが真ん中にいることで、周りの人たちがよりイキイキして見える現象が起こっていたように思います。
もちろんストーリー上では真風さん演じるジョルジュが主役ではありますが、舞台の上に生きる人々は全員が主人公。
宙組の一体感を感じるとともに、個人の確立と組の士気の高さも感じることができました。
この時代だからこそ出会えてよかった「Never Say Goodbye」
昨今の世界情勢やコロナ禍の状況と重なるところも多かった「Never Say Goodbye」。
出演者のセリフや歌詞にも、深く考えさせられる部分が多かったように思います。
後半場面では、客席からもすすり泣く声が聞こえてきました。
私が特に印象的だったのが、2幕のラスト近くの潤花さんの涙。
本当に、ここぞというタイミングですっと一筋のキレイな涙が流れ、「あぁ本当に役として生きているんだなあ」と感じました。
彼女の普段の明るさとのギャップが、さらに役の深みを出していたように感じます。
芹香さん演じるヴィセントの男臭さ、桜木さん演じるアギラールの徹底した悪役っぷり…。
重たいテーマなはずなのに、もう一度見たい!と思わされる場面もたくさんありました。
暗いニュースが多い中では、ついつい明るいコメディやラブロマンスに惹かれがちです。
ネバセイはしっかりと今の時代に向き合い、平和の有難さや、愛する人のそばに居られる幸せを見つめ直せるステキな作品だったと思います。
各組のトップスターの中でも最高学年の真風さんが率いる宙組だからこそ、重厚感のある愛のかたちを表現できたのかもしれません。
東京公演は無事に、千秋楽まで駆け抜けられることを祈っています。
そして、次の宙組大劇場公演はまさかの「HiGH&LOW」!
先日一部の配役も発表され、期待が高まりますね。
ネバセイとは真逆のテイストですし、あらたな客層も見込めるのではないでしょうか。
次の宙組公演も楽しみにしています。