先日、朝美絢さん主演の雪組公演「海辺のストルーエンセ」を観劇してきました。
朝美さんの主演作を見るのは、バウホールの「ほんものの魔法使」以来です。
今回は、「海辺のストルーエンセ」の観劇レポートをお送りしたいと思います!
「海辺のストルーエンセ」の観劇レポ
今回、朝美さんが演じるのはドイツの町医者ヨハン・ストルーエンセ。
ストルーエンセ先生の美しさに、患者はみんな虜になってしまい、男女問わずメロメロになってしまいます。
劇中では、メガネ姿、テニスをする姿、決闘シーン…と様々な姿を見せてくれ、これまであまり見たことのない、静かな闇を感じるお芝居も印象的でした。
どの衣装も着こなし、主役の存在感を放つ朝美さんに圧倒されました。
ヒロイン・音彩唯さんの完璧な佇まいに感動
今回、グッと印象を強めたのが、ヒロインのカロリーナ・マナルデを演じる音彩唯さん。
首席卒業者であり、既に新人公演ヒロインも務めている彼女ですが、歌もお芝居もダンスも想像以上でした。
活舌が良く、ハキハキと台詞を発していてとっても聞き取りやすかったですし、利発的で少し男性性があるカロリーナにぴったり。
音彩さんのお芝居をこんなにじっくり見られただけで、「見に来てよかった!」と思わされるほどです。
歌も、聞きにくいところが全くなく、自然に感情移入をしているように見えて、本当に感心しました。
朝美さんとの並びも大変お似合いで、未来の雪組が見えたような気がします。
再び「国王」役を演じる縣千さんに大注目
「蒼穹の昴」で若き国王を演じた縣さん。「海辺のストルーエンセ」でも、17歳という若さで国王になったクリスチャン7世を演じています。
蒼穹も昴では、政治の舵を取ることができず、流れに身を任せてしまったために世界を混乱させてしまう…といった役どころでしたが、実は今回も似たような役回り。
ですが今回は、かなりコミカルでチャーミングな役でもあり、会場に笑いが起こる場面は縣さんの台詞があるところが多かったように思います。
連続で似たようなお役を演じたにも関わらず、しっかりと役分けができているのを感じましたし、殻を破った演技を見られて感動しました。
「CITY HUNTER」では坊主にサングラス、「ほんものの魔法使」では犬役と、なかなか個性強めの役を演じることも多い縣さんですが、これからどんどん主演作が増えてくるのかなと期待しています。
愛すみれさん&白峰ゆりさんの上級生娘役の存在感が凄い!
「海辺のストルーエンセ」に欠かせない人物である、縣さんの叔母を演じる愛すみれさんと、縣さんの愛人を演じる白峰ゆりさん。
とにかくこのお二人の堂々たる立ち姿と演技が、痺れます…!
宮廷内をいつもピリッとさせる愛さんの棘のある台詞や、強気な態度が段々健気にも見えてくる白峰さんの演技力。
下級生の台詞や活躍の場面が多く、それもこのお話の魅力的なところだと感じていたのですが、若手が伸び伸びと役を演じられるのも、こうしてどっしりと構えて世界感を作り上げる上級生娘役さんがいるからだなあ、と改めて感じました。
朝美さんの新たな魅力と、音彩さんとのコンビネーション、
そして下級生の素晴らしさもたっぷり感じることができた「海辺のストルーエンセ」。
そしてなんだか、だいきほ時代の雪組を端々に感じて、少し懐かしくもありました。
半分の人数とは思えないほど、重厚感を感じる舞台で、御園座チームと合わさった新生雪組がどんな輝きを放つのか今から楽しみですね。