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明日海りお「仮面のロマネスク」フランス貴族社会に生きる大人の恋愛ゲーム

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ヴァルモン、メルトゥイユ夫人の関係

明日海りおさん演じるヴァルモンは、なんといってもとんでもないプレイボーイさんです!

容姿も美しく、周りの女性が放っておかないのに、自分からそこに飛び込んでいくような…。

美しいからこそ許される世界ですね。(笑)

そして自分が手に入れたいと望んだものは必ず手に入れてしまうほどの執着心もあります。

メルトゥイユとは元恋人関係ですが、お互い自由な恋をしている現在でも、心のどこかでは相手のことを求めていて…。

メルトゥイユ夫人から提示された賭けが、ヴァルモンが、トゥールベル夫人を手に入れること。そうすれば、私(メルトゥイユ)をあなた(ヴァルモン)にあげる、と互いに約束しました。

そこからヴァルモンのトゥールベル夫人に対する執着も凄いです!

しかし、他の女性とは違い、簡単には靡かず、なかなか手に入れることができない彼女に、焦りと同時に本当に手に入れたいと望むようになります。

一方、メルトゥイユ夫人は、なかなかトゥールベル夫人を手に入れることができないヴァルモンを鼻で笑いながら様子を伺っています。

しかし、そんな彼女も、ヴァルモンがトゥールベル夫人に本気になっていることに気づき始め、約束を果たした後も、”手に入れたらきっぱり恋を忘れなさい”と言いつけます。

でもそんな自分も、今の彼氏を手放した後、また興味を惹かれる人に目をつけていました。そんな、恋から離れられないメルトゥイユ夫人に対し、ヴァルモンも嫉妬心を抱いています。

この互いに自分の欲望を抑えることができない、しかし、相手には自分に従順になることを望んでしまう2人。

なぜこうも”欲”を優先してしまうのしょうかね(汗)

ヴァルモンに、”あなたは僕のただ1人の人だ”と言わせたメルトゥイユ夫人は、証拠を見せろと迫り、もうこんな恋はやめましょう。

と、縛られることを嫌がり、ヴァルモンがセシルやトゥールベル夫人を完璧に忘れるまで、恋人になりたくないと示します。

この場面を見て、”女性は強い”と感じましたね(笑)

心に仮面を掛けて、本心を見せず、完璧に自分のものになるのを待つメルトゥイユ。

その仮面が外れるのは物語の最後。市民が一斉蜂起をしたとき。

貴族社会が壊れるその寸前、戦の手がそこまで近づいているときになり、初めて互いに互いの仮面を取り、やっと本性で愛し合うことができます。

人生の、世界の、時代の最期になってから、やっと、自分の心を受け入れ相手を心から望んだその姿は、すごく美しいです♡

メルトゥイユのセリフに

“私は愛にまで仮面をつけてしまった。でもそうしなければ生きてこられなかった。この世界で位置を占めるために。”

このセリフを聞いたときに、仮面をつけなければいけなかった理由は、性格、プライドだけでなく、未亡人という立場で貴族社会を生き抜くために必要だったことなのかもしれない、と彼女の生きにくさ、辛さを痛感しました。

そして、この世の中が終わる瞬間だからこそ仮面を外すことができたのだとわかると、とても切なくなります。

しかし、そのとき、ヴァルモンは負けると分かっている革命に、戦いに出ることになります。

今までの人生、ヴァルモンがいたから生きてこられたと感じ、そして、ヴァルモンが死ぬ今日、自分の人生の終わりを告げると、戦がないところへ逃げることを選ばないメルトゥイユ。

そして、メルトゥイユがいたからこそ人生を生きてこられたと感じるヴァルモンもまた、負けると分かっている戦に行く決心をします。

そして2人は、最後の舞踏会を2人だけで開きます。

切なくも美しい、まさに可憐という言葉が合うこの2人の姿に、涙がでました。

「仮面のロマネスク」の感想

こんな悲しいお話だとは少しも思いませんでした…。

人生を掛けて恋のゲームをし、人生の終わりと共に幕を下ろすこの作品。

最初はそんな雰囲気なかったよね?!ってすごく思いました(汗)

もう少し早く、お互いの仮面を外すことができたら、とか、時代が違ったらこの2人は似たもの同士、幸せになれたのではないかなと思いますね(>_<)

恋の駆け引き、ドキドキを味わいたい!という方は是非見てみてください!

スカイステージでも、11月はあと1回。 24日9:00~放映されますので要チェック。