宝塚音楽学校第106期生文化祭を観劇してきました。
宝塚音楽学校の文化祭とは、2年間の学業の最後に発表する卒業公演で、2年間の集大成を披露する公演です。
そして、初めてお客様の前で芸を披露する場となるわけです。
歌がうまい!という前情報があり、ワクワクしてでかけました。
3日間で6回の公演があり、第2部のお芝居ではAグループとBグループに2つに分けられており、私はAグループを見たため、残念ながら、生徒全員のお芝居は見れず・・・・。
今後の課題として、両グループ、見られるようにチケットをなんとかしたいと。
今回少し残念だったのがプログラムを販売する予科生さんたちが全員マスク姿だったこと。
感染対策として致し方ないことだけれど、予科生さんたちも学生時代のお客様への数少ないお披露目のチャンスだろうに残念。
さて、今回の文化祭は、まだタカラジェンヌの卵である生徒さんたちにも関わらず、若いエネルギーが満ち溢れていて、もう一度、みたい!と思える素晴らしい公演でした。
第一部・日本舞踊・クラシックヴォーカル
幕が開くとともに、紋付袴の全員が、「清く正しく美しく」の曲で舞います。
この「清く正しく美しく」の歌ソロが堀部さん(娘役)。本当に美しい歌声でした。
こんな清い世界があるのかと一瞬で心が洗われます。
声量あり、歌詞が明瞭に耳に届く。現実から夢の世界へ入っていくこの入口でなんとも心地良い気分に・・・・。
クラシックヴォーカルでは秋永さん(娘役)のオペラ。圧巻。雰囲気は雪組舞咲りんさんを感じさせた。
「誰も寝てはならぬ」の圓福寺さん。これまた声量のある男役さん。
感情も表現できる歌い方に、今後お芝居でも実力を発揮できるぞ〜!と期待大。
ポピュラーボーカル
宝塚定番の曲「アイ・ラブ・ユー」
4名の男役の後ろで全員がコーラス。
4名の男役が順に歌っていく中で、完全に声の質の良さが伝わってきた濱島さん。出来上がってる。
「ONE HEART」でソロを歌った平野さん。オリエンタルな顔立ち、背丈もあり、今回Aグループ主役の人。
演技も上手。容姿も揃った上、ダンス、お芝居、歌、何でもできる。
これは、完全にトップ路線間違いない。
後ろで106期全員の素晴らしいコーラスでトップを盛り上げる構図で、ゼロ番の場所がよく似合う。
106期の一体感が。
いやいや、この場面も感動したな〜。
ポピュラーコーラス部門では、完全にソロ、順番に歌っていくパターンあるが、初めてお客様の前で歌うとは思えない堂々とした歌いっぷり。どの生徒も上手。
娘役さんも可愛らしく、なぜかよくわからないけど「昭和の良き時代」という言葉が浮かんでしまった。
今の時代にこんなに清く、そして可愛らしく「ごらんなさい、ごらんなさい」と歌う女子が存在するのだろうか・・・という感覚。
これが、宝塚が目指す「清く、正しく、美しく」の世界観ね。
再びのソロ登場で「愛の宝石」堀部さん、そして「丘の上のジョニー」圓福寺さん。
やはり歌上手の人は2回もソロが。
うん、耳福。聞かせてくれました。
「この愛よ永遠に」(TAKARAZUKA FOEVER)の全員のコーラスで1幕を閉じた。
ベルばらの歌など含め、宝塚の歴史を歌で思い出させてくれてありがとう。という感じ。
第2部・演劇
演出:谷正純
ニューヨーク・マンハッタンにあるビルの一室で新作ミュージカルのオーディションに集まった役者の卵たち。
シェイクスピアの「マクベス」に望む・・・・というストーリー。
主演:近藤さん・平野さん
ヒロイン:香川さん・安部さん
W主演という感じでした。人材豊富ではないですか!
主演、ヒロインだけでなく、どの役の子も、ピタッとハマっているのは、やはり谷先生演出ならではなのか、それとも、合わせてきた生徒たちの実力なのでしょうか?
シェイクスピアの難しいセリフとしっかりと演じるメインの4名も素晴らしい出来。
小難しいシェイクスピアのセリフから、はじまったので眠くなるかな〜??と思ったところで、突然松葉杖の青年が入ってきたり、ピザ屋さんの配達が入ってきて、笑いもあり。ストーリーも面白い。
セリフの中で、
「合格して、せっかくみんなで揃って大好きな舞台にたてるのに・・・(ニュアンス)」とか
「主役に選ばれたら、誰かが主役になれないってこと(ニュアンス)」とか、なんだか、それ、今のあなた達じゃん!ってツッコミ入れたくなるセリフを入れるところも面白い。
そして、ス〜っと横から出てきたクリスティ役の高橋さん(娘役)。
あまりに凛として美しく急いでパンフレットで確認するほど。
安部さんの狂気のシーンも、完全に引き込まれた。この学年であの狂気のシーンはすごい実力の持ち主。
いや、もうすでに音楽学校の卒業公演ということを忘れてしまう。
え?これ、新人公演???と思ってしまうほど。
もう一度見たいし、Bグループも見たかったです。
第3部・ダンスコンサート
構成:三木章雄・尚すみれ
ガラリと雰囲気が変わり、アップテンポな曲で始まりエネルギッシュな全員のジャズダンス。
1部で紋付袴で日本舞踊を踊ってた子たちですか?????という変化の差が激しすぎて、ついていけないぞ。
ジャズダンス、バレエ、タップダンス、モダン・バレエと多種多様のダンスを繰り広げていく様子に、
いやいや、やっぱり宝塚音楽学校って恐ろしく凄いところだと改めて感心している自分。
ダンス部門で目を奪われたのは、オープニングとジャズ、モダンバレエ、フィナーレで踊っていた佐々木さん。
背は少し小さいが、それに負けないボーイッシュでエネルギッシュな踊りをジャズダンスで魅せた。と思ったら、
別のモダンバレエでは、しなやかで美しい踊りを見せた。一つ一つの動きが美しい。
そして、色気すら感じる眼力が凄い。完全にロックオン。
最後のフィナーレでは、全員でジャズダンスを踊る。
尚すみれ先生の振付は、いや〜!すごい迫力で、盛り上がる!
106期生の一体感を感じる瞬間でした。
もっと見ていたい。あと5分踊り続けるのは無理ですか〜笑
踊り終わったあと全員凄い息切れ。無理だよね。
ということで、以上で観劇レポでした。
宝塚音楽学校はすごいところ。
本物のタカラジェンヌの方の公演を見慣れているし、今回は、まだ卵ちゃんたちだし、どんなものだろうと思っていましたが、なかなかの見応えのある公演で、106期生さんたちがここからどれだけ成長していくのか、見届けて行きたい!と思いました。
又一つ、宝塚歌劇の楽しみが増えました。
たった2年間の学校生活で、日舞、歌、お芝居、ダンスの芸を磨く。
日舞では、着物の着付けも自分たちでするだろうし、ダンスシューズもタップシューズやジャズシューズ、トウシューズと、これまた多種の靴を履きこなし、ここまで踊れる技術を身につける。
そして、規則の厳しい女性だけの寮生活の中で同期の絆も作る。
改めて、凄いところだな〜と今回の文化祭を観劇して思いました。
ライター:宮本まお