宝塚歌劇団月組の鳳月 杏さん。月組から花組に、そして花組から月組に帰ってきた!
そして、今回、「出島小宇宙戦争」に主演として、初東上しました・・・・・。
新型コロナウィルスの感染拡大防止の為、たった7日間という少ない公演回数にも関わらず、残り2日間が中止となり、残念ながら本日28日を持って千秋楽となってしまいました。
本当に残念ですが、是非、円盤化を期待しています。
さて、そんな「出島小宇宙戦争」について、(今となっては)幸運にも観劇できたので観劇レポを書きたいと思います。
観劇できなかった方は、どうか、こんな感じだったのね・・・と妄想していただきたいと思います。
何とも不可思議なポスターと、内容に関してあまり情報がない中でのチケット取得でしたが…。
後にネット上で「楽しかった」「銀魂みたい!」などといった意見を多数発見しました。
はてさて、「出島小宇宙戦争」その中身とは?
お芝居の全体像と注目してほしいキャラクター
お話は、地球ではない別の星を舞台に繰り広げられます。
全体像について
やはり架空の星でのお話であるからか、「何でもあり!」 といった雰囲気で、冒頭からすでに騒がしい。中盤も騒がしい。そして終盤も結局騒がしい。
そんな風にお話は進んでいきました。
いやいや、決して「うるさくて不快だ」と言っているんじゃありません。
ちょっとだけ切なさ漂う場面もありましたが、全体的にとても明るく楽しく笑える作品なのでした。
悲しく切ないお話も素敵ではありますが、こういった明るく「ただただ笑っていられる」という作品も素敵ですよね。
久しぶりに心の底から笑えた作品でした。
登場人物について
この作品の登場人物には、「伊能忠敬(タダタカ)」「シーボルト」なんて歴史上の人物もでてきます。
でも、出島小宇宙戦争の舞台は地球ではない別の星なわけですから、それら歴史上の人物もキャラクターやや崩壊気味で描かれているという…。
「そんな風に描いちゃうんだ?」といった風で、とてもコミカルな出来栄えだったのが印象的でした。
ただ、キャラクター崩壊といっても
「タダタカ→日本地図を描く」
「シーボルト→西洋人·医師·学者」
などといった基本的な部分は崩壊していませんでした。
どの登場人物もとても個性的&魅力的で「どのキャラクターが一番!」とは言えないのですが…。
筆者の目に止まったのは、「シーボルト:風間柚乃」「ヘレーネ:蘭世惠翔」「ヌイノスケ:英かおと」の3人です。
シーボルト:風間柚乃
宇宙人なのかただの西洋人なのか…不思議な力を持つ非常に謎めいた存在です。
Sッ気ある気質からくる様々な言動が、いろんな意味で胸熱!
風間さん、ハマってました。
ヘレーネ:蘭世惠翔
メイド服を着たシーボルトの手下。
凄腕の持ち主のようで刀を振り回すシーンあり、シーボルトとちょっと怪しげな雰囲気の場面もありで、なかなか面白い存在です。
蘭世くんのメイド服姿がお人形のようでとっても可愛いかったですよ。
ヌイノスケ:英かおと
タダアキラ(紫門ゆりや)と行動を共にする幕府の役人。
タダアキラの腰ぎんちゃく的存在かと思えばそんなことはなく…。
私の中の英くんのイメージがガラッと変わった役でした。
主演キャラクターなどについて
さてさて、出島小宇宙戦争といえば忘れてはいけないのが主演の「鳳月 杏」さん…と、そして「暁 千星」「海乃美月」さんら2人の存在。
鳳月 杏:元幕府の天文学方「カゲヤス」(天文学者タダタカの弟子)
暁 千星:天文学者「リンゾウ」(カゲヤスの幼馴染であり兄弟子でもある)
海乃美月:長崎の元遊女
あの謎めいたポスターそのままの鳳月 杏さんが登場。
大きな望遠鏡(たぶん望遠鏡だと思います)を片手にお芝居する姿はとてもキラキラしていて素敵でした。
そんな鳳月さん演じるカゲヤスの相棒として登場するのが、暁 千星さん演じるリンゾウなのですが…。
まぁ、相棒といえば相棒だし、相棒じゃないといわれればそうではないのかな?という…複雑ともいえる間柄の2人です。
カゲヤスとリンゾウが、2人仲良くしている場面もあれば、仲違いする場面もあり…。
その理由についてはいろいろあるのですが、そこはなかなかドラマティックに描かれていて見応えあるものに仕上げられていました。
2人で立ち回りをする場面など、とてもかっこよかったですよ。
一方、海乃美月さん演じる「タキ」。
こちらは、ちょっと謎めいた人物として登場。
その正体とは?
…そこは内緒にしておきますが、ヒロインとしてはなかなか面白い立ち位置だったかな…と思います。
カゲヤスとタキが恋焦がれて胸が熱くなるような恋愛…というものではなかったものの、「どこか惹かれ合っているのでは?」と思わせる部分はちらほらと。
リンゾウとは直接的な絡みはなかったと思うのですが、カゲヤスとはいろいろとドラマがありました。
お芝居の後は…
宝塚歌劇の楽しみといえばやはりお芝居の後のショー。
とはいっても、今回は一本物のお芝居の後のものなので、ごくごく小規模なものですが、それはそれは素敵でした。
鳳月 杏さんの煌びやかなことといったら…それはもうステキの一言。
海乃美月さんとのデュエダンもダイナミックで迫力があって、もういうことなし!
その他男役·娘役の皆さんも可愛らしく且つかっこよくて…全てが本当に夢のようなひと時でした。
まとめ
一見、ただ面白いだけのお芝居と思われた出島小宇宙戦争でしたが、その内容はしっかりとしたものでした。
結構心にグッときて、その時は笑って済ませてしまったけれど、後になってジワジワっと…「あぁ、あそこはこうだったのかな?ああだったのかな?」と、今はそんな想いを巡らせています。
ただ、「歌ありダンスあり…」というほどミュージカル調ではありませんでしたので、音楽が全然記憶に残っていないのが個人的には残念でした。
ちなみに、筆者が行ったのは、東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)の初日。
観劇後の挨拶にて、鳳月 杏さんから挨拶がありまして、その中で「恒例の月組ジャンプは千秋楽で!」と。
筆者的には、初日でもやってもらいたかったです!月組ジャンプ!
残念ながら、今日が千秋楽になってしまいましたが、きっと今日、行かれる方はぜひ、行かれなかった方たちの分も思う存分ジャンプしてきてくださいね。