さて2019年4月より宙組「オーシャンズ11」の再演が決定し楽しみにされている方も多いかと思います。
オーシャンズ11といえば、あの小池修一郎の脚本・演出です。
小池修一郎ってご存知でしょうか?
いまや「エリザベート」「1789」「モーツァルト」などの大人気作品のヒットでウィーンからもオファーがあるミュージカル界で人気の演出家です。
元々は、大学時代に演劇、ミュージカルにはまり、たまたま大学の掲示板で見つけた宝塚歌劇団の演出家募集の記事を見つけて応募、採用が決まり大学卒業後、宝塚歌劇団に入団し、演出助手としてスタートというから驚き。
演出家経験のない人を採用し、宝塚歌劇団でじっくり修行する。
演出家助手時代9年。その後演出家をデビューする。
それにしても宝塚劇団ってダイヤモンドの原石を見つけるの、すごくないですか?
タカラジェンヌだって、音楽学校入学時の写真と今のスターさんの写真を見比べると、その変化に驚くし、過程を見ていると、本当にどんどん成長し輝いていくのがわかる。
演出家も同じ?
全然実績のない演出家希望者を採用し、長い時間を使って育てていく
(実はものすごく倍率高くて難しいらしいけど)。
デビュー作は1986年の宝塚バウホール「ヴァレンチノ」。
宝塚大劇場でのデビューは
平成元年「天使の微笑・悪魔の涙」
そして平成3年には「華麗なるギャツビー」で菊田一夫演劇賞を受賞した。
とにかく、こだわりの強い人。
演出家助手だった時でもちょとでも気になることがあると演出家に意見する。
当時、演出家の自宅のFAXに自分の考えを延々と送りつける。
次の日朝起きてみるとFAXのロール紙がなくなってしまうほどだったというから驚きです。
こだわりの人。
私が小池修一郎の作品の好きなところは、1幕ラストが結構な盛り上がりがあるところ。
高揚したまま幕間タイムになるところですね。
そんな小池修一郎の代表的な作品を紹介します。
エリザベート
元々はドイツミュージカルのヒット作。それを宝塚版に潤色、演出をした。
元々の作品はエリザベートを主役にするが、男役トップを重視する宝塚の伝統から、小池修一郎は脇役の死神トートを主役に変えて、潤色し、現在では、再演を繰り返される人気作品になりました。(再演も全て小池修一郎が担当している)
THE SCARLET PIMPERNEL
ブロードウェイミュージカルの宝塚版。
脚色・演出は小池修一郎が担当した。初回以降も小池修一郎が担当しています。
オリジナルのブロードウェイ作品はフランス革命を否定的に表現した作品だったが、小池修一郎の宝塚版では、シリアスに潤色した。
PUCK
シェイクスピアの『真夏の夜の夢』をもとに、小池修一郎が作・演出を担当した。
1992年、涼風真世を中心とした月組で上演され好評を博した作品で、のちに月組龍真咲が再演した。
主題歌の「ミッドサマー・イブ」を松任谷由実が提供し、作詞は小池修一郎。
オーシャンズ11
アメリカ映画が原作で脚本・演出は小池修一郎が担当し、宝塚歌劇団で初舞台化した。
初回から小池修一郎が担当。2019年の再演が決定している。
柚希礼音主演も蘭寿とむ主演もどちらも大好き。オススメです。
1789 -バスティーユの恋人たち-
フレンチ・ロック・ミュージカル作品の宝塚歌劇版。
2015年、月組公演。小池修一郎潤色・演出。
オリジナルでは、マリー・アントワネットが主役となっておりますが、宝塚版は、準主役となっており、シトワイヤン民衆の青年ロナンを中心の物語が進むように作られている。
ポーの一族
小池修一郎の長年の夢が叶った作品。
この「ポーの一族」をミュージカル化したいと夢見て宝塚歌劇団に入団をしたという小池修一郎。
20年以上前から、「ポーの一族」作者に舞台化を申し出ていたが、ついに実現したのが昨年の2018年。
エドガー役の明日海りおの美しさは、エドガーそのものでしたよね。
・・・・こうやって小池修一郎の作品をラインナップしてみると、気づく。
私、小池修一郎の作品ばっかりが好きみたいです。
そして、初めて宝塚を見る人にお勧めする作品は、小池修一郎の潤色・脚本の作品をお勧めすれば、間違いなく落ちるね。
小池修一郎「宝塚は私の故郷。これからも虚構の魅力をもっと追求したい」と語る。