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柚香光プレお披露目公演CS放送に先駆けて振り返る

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団の中では、創立100周年を迎えた花組。

この大きな節目となる年に、28代目花組トップスターとして就任した柚香光さん。

2020年1月7日~1月22日に上演された、稲葉太地先生演出のプレお披露目公演『DANCE OLYMPIA-Welcome to 2020-が4月にCS放送SKY STAGEにてオンエアされることが決まりました。

そこで今回は、この公演を見所と共に振り返ってみようと思います。

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『DANCE OLYMPIA』-Welcome to 2020-の見どころ

1幕は、ギリシャ神話の英雄アキレウスが現代にタイムスリップし、巻き起こす騒動を描いたお芝居仕立てのショーです。

そして、2幕は、世界中の多種多様なダンスパフォーマンスから成るダンスコンサート。

1幕は古代ギリシャが舞台

1幕では、古代ギリシャを舞台に、戦によって大切な友人とパートナーを失い悲しみに暮れる最中、時空を超えて現代のニューヨークにやって来てしまった、柚香さん演じるギリシャ神話の英雄アキレウスを中心に紡がれる騒動を追った物語。

時代も国も違うため、言葉が通じず全く喋らないという設定ゆえに、エコーの効いたアキレウスの心の声が会場にこだまする。ポツポツと語る口数の少なさと、その分コロコロと変わる表情が笑いを誘う。

コミカルな演出の中に描かれた、言葉や文化の違いを超えて心を通わせることの悦びというものが心に残る温かいストーリー。これまでの宝塚では、あまり観られない形式のお芝居の全てが新鮮に感じられ、束の間に感じる1幕。

2幕はダンス!

世界各国のダンスを集めたショー形式の2幕では、幕開きから出演者全員による和太鼓の演奏に圧倒される。

この公演のお稽古期間中、劇団に出入りする生徒の皆さんの手に巻かれていたテーピングが物語る圧巻の音色に、舞台のみならず客席まで引き締まる空気を感じた。

ラテンのコーナーでは『El Cumbanchero』をはじめとした、花組らしい熱さ溢る馴染みのナンバーが続く。

上級生から下級生まで、細分化してリレー形式で踊り繋ぐという演出に、生徒さんお一人お一人の魅力が存分に堪能できる1シーンとなっている。

全編通してエネルギーを感じるナンバーが揃っていた2幕の中でも、特筆すべきは佐藤先生の振り付けで構成されたフラメンコだろうか。

「プロのフラメンコダンサーに向けて振り付けをするのと同じレベルのものを振り落としした。」と語られていたこのシーンの、見ているこちら側が思わず呼吸を止めてしまうほどの気迫には、トップスターの本気、花組の本気を感じずには居られない。

オペラグラスを覗いた先に写った柚香さんのシューズに深く刻まれた傷に、努力の軌跡を見た。

ホワイトとゴールドの衣装に身を包んだ柚香さんが登場する最後のシーンでは、花組100年の歴史を振り返る。

Dance With Me』や『心の翼』など、“宝塚のフレッド・アステア”とも称された花組トップスター大浦みずきさんが創り上げた“ダンスの花組”の再来を思わせるような演出に、胸を熱くしたファンも多かったであろう。

花組のトップスターとして舞台の0番に立つ柚香さんだけでなく、その脇を固める水美舞斗さん。

そして今公演より雪組から花組へと組み替えになった永久輝せあさんをはじめとする、ダンスに定評のあるメンバーが紡ぎだす、花組の新たな歴史の1ページが彩られていく様子が顕著に表れた公演だったように感じる。

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普段、踊り慣れているジャズダンスやクラシックバレエとは毛色の違ったジャンルの舞踊でも、短期間でしっかりとモノにする。

そのポテンシャルの高さと、確かな技術力こそが柚香光さん率いる花組の強さなのかもしれない。

以上、記憶に深く残ったシーンを抜粋しながら振り返りをさせて頂きました。

全てを書き出せないほどに魅力の詰まった新生花組の第一歩、『DANCE OLYMPIA-Welcome to 2020-を劇場でご観劇なさった方も、これからご覧頂く方も、4月のSKY STAGEにて就任当時の花組に思いを馳せてみては如何でしょうか?