ちょっと先のお話になりますが、2024年に宝塚歌劇団は110周年を迎えます。100周年はたくさんのイベントが行われ、お祝いムードに包まれた1年間でした。
そんな記念すべき年に宝塚歌劇団に入団した100期生も新人公演学年を卒業し、時の流れを感じています。
100期生の中にはトップ娘役、新人公演主演、バウホール主演、東上公演ヒロイン、エトワールなどを務め、あのスター揃いと言われる95期と並ぶほどの実力派たちが勢ぞろいしています。
飛躍が止まらない100期生ですが、今回は花組のパーフェクトジェンヌ・音くり寿さんの魅力をご紹介します!
音くり寿さんについて
音くり寿さんのことについて、あまりご存じない方のために今までのご活躍を振り返りたいと思います。
宝塚歌劇団100期生。愛称・くりす、くり。
初舞台は月組公演「宝塚をどり/明日への指針 -センチュリー号の航海日誌-/TAKARAZUKA 花詩集100!!」、組まわりを経て花組へ配属されました。
成績は39名中2番!
歌・ダンス・演技どれをとっても素晴らしい技術をお持ちのタカラジェンヌさんです。
宝塚音楽学校の文化祭ではソロ歌唱の場面をゲットするなど、宝塚歌劇団入団前から注目の歌姫でした。
花組配属後は、研究科3年にして「ME AND MY GIRL」新人公演初ヒロインを務め、歌だけでなく観客を引き込む演技力など完成度の高さが話題となりました。
その後も東上ヒロインやエトワールなどを務め、勢いが止まりません!
人の心を動かす力
私はくりすちゃんのどこに惹かれるんだろう?と考えたときに「歌・ダンス・演技どれをとっても人の心を動かすパワーが凄まじい…!」と気がつきました。
①群を抜いている歌唱力
くりすちゃんは歌唱力がとてつもなく高いタカラジェンヌのお一人ですが、私が彼女のことを注目するようになったきっかけは「雪華抄」(2016)です。
第2場・花椿での影ソロに心が震え、気がついたら涙が出ていました。
松本悠里先生の舞とくりすちゃんの歌声がぴったりと合って、優雅で美しくも儚く切なさが滲み出る場面でした。
どんな歌でもその場面の心情を深く掘り下げ、自分の声を乗せることで歌の説得力が増します。
②伸びやかな動き
くりすちゃんのダンスは体から音楽が流れているのでは?と思うくらい伸びやかでしなやかです。
振り付けをきちんと踊っているんだけれども、柔軟性があって自由なんですよね…まるで海の波に合わせて泳いでいる人魚のよう。
特に「CASANOVA」(2019)のベネラ。
鳳月杏さん演じるコンデュルメル夫人の忠実なしもべとしての妖しさはあるものの実は食い意地が悪く、常に食べることを考えているお茶目な猫さんでした。
猫独特の優雅さを表現するために手足をしなやかに動かして毛づくろいや足取りを軽く見せる様子など、どこからどう見ても動きが猫そのもの!
「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」(2019)の蝶の精プルケでも軽やかに舞う妖精の姿はティンカーベルのような愛らしさがあり、とっても可愛らしかったです。
③表現力豊かな演技力
どんなお役でも「化ける」という言葉がくりすちゃんには合っているように感じますが、「マスカレード・ホテル」(2020)の長倉麻貴や「花より男子」(2019)の三条桜子はくりすちゃんにしか演じることのできない怪演が評判になりましたね。憑依するとはこのことなのか…と観ているこちらの体が震えるほどでした。
トップ娘役のチャンスは?
花組は近年ベテラン娘役の退団が続いているので、実力者のくりすちゃんを組替えさせる可能性は低いのではないでしょうか?
くりすちゃんは実力がありすぎるので別格娘役として花組の舞台をサポートする側に回りつつあることも現状です。
実力があってヒロインやエトワールを何度も経験しても、必ずしもトップ娘役を就任できるとは限らないのが宝塚歌劇団の厳しいところであり、ファンとしては複雑な気持ちです…。
そのような生徒さんに対して、多くのファンが思っているであろうことは「報われてほしい…!!!!」ということ。
最近だと、月組・海乃美月さんや雪組・朝月希和さんが上級生という立場になってトップ娘役の座を射止めることができました。
劇団の人事は本当に何が起こるか分からないので、くりすちゃんにもまだまだチャンスはあります!
あると信じてこれからも応援し続けます!!!