宝塚歌劇団星組公演「柳生忍法帖」「モアー・ダンディズム!」が幕を開けました。
Web記事やファンの皆様の観劇レポートを拝見していると、本当に素晴らしい舞台のようですね。
スカイ・ステージのタカラヅカニュースを拝見し、ますます観劇への期待が高まっています。
この作品は、愛月ひかるさんの退団公演でもあります。
タカラジェンヌの品格を体現する、正統派男役愛月ひかるさんの見納めかと思うと、とても悲しいです。
けれどファンとして精一杯、最後の舞台を見守らせていただこうと思っています。
宝塚GRAPH9月号の愛月ひかるさん特集ページから
今回は改めて宝塚GRAPH9月号の愛月ひかるさん特集ページを振り返り、記事を中心に愛月さんの考えるタカラジェンヌ像について、考えてみたいと思います。
あくまで個人の意見になりますので、苦手な方はご遠慮ください。
最後までお付き合いいただければ、幸いです。
この記事を書きたいと思ったのは、愛月さんが小桜ほのかさんにかけた言葉でした。
それは「娘役は美しさを凝縮したような存在だと思うから」というものです。
思わずハッとしました。
愛月さんの男役に対する考え方は、色々な形で見聞きしてきました。
ですからある程度知っているつもりでいたのですが、その根幹には娘役さんに対するこうした視線があったのだと気づかされました。
もちろん皆様重々ご存じのことと思いますが、宝塚では男役と娘役は対をなすものです。
娘役がより女性らしく振舞うことで、男役を引き立てています。
娘役を「美しさを凝縮したような存在」と考えている愛月さんだからこそ、あんなにも凛として、男らしく華やかな存在なのだと気付かされました。
また、娘役に素敵だと思ってもらえなければ観客もときめかないと考え、ショーの一瞬でも心を通わせたいと思い、気持ちを込めて見つめていらっしゃるとのこと。
私たちがほんの一瞬の表情にもキュンとさせられるのは、その考えがあってこそなのだと改めて感心しました。
その際には、お相手の方がとてもいい表情をされるそうで「その顔をお客様にも観て頂きたいですね」とのこと。
自分だけではなく、相手の素晴らしさも見て欲しいという愛月さんの優しい思いに、心を打たれました。
一瞬のシーンにも心が通っていたら、お相手の方も本当に嬉しい気持ちになっているでしょう。
愛月さんが素敵すぎて目が離せないのですが、頑張って過去作をDVDでチェックさせていただきたいと思います。
大空祐飛(現在:大空ゆうひ)さんの影響で、衣装には一ミリ単位までこだわっていること。
「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」の新人公演のオーベルシュタイン役で、目線にこだわった演技を上級生に褒められ、今も大切にしていること。
舞台には100%の熱量で立つと決めていること。
宝塚らしさにこだわっていること。
今までいろいろな場面で、少しずつ聞いてきたことがまとめられていて、改めてなんて素敵なタカラジェンヌさんなのだろうと、しみじみしました。
退団会見に当たるインタビューの記事より
トップさんの退団会見に当たるインタビューの記事を、先日拝見しました。
その中で、専科の話が出たとき、辛い思いがあったことを、吐露されていました。
そして星組に行ったときに退団を決意し、悔いは残したくないと、周りからの批評を全く気にしなくなったという話をされていました。
GRAPHでは、星組になったことで上級生としての自覚が芽生え、心に余裕が生まれて、いい意味で開き直ることが出来たというお話をされていました。
星組への移動が愛月さんの宝塚人生の大きな転機であったのだと、わかります。
宙組にいたときももちろん素敵でしたが、星に移動したことで愛月さんらしさが光り輝いた気がしていました。
これまでは、熱い星男が愛月さんに合っているのかなと考えていました。
けれど星に移動になったときに退団を決意されていたからこそ、愛月さんらしさを思う存分出せたのだと、今になって感じています。
退団を決意された方ならではのオーラを放っていましたね。
愛月さんは下級生のころから「シルエットが崩れたら愛月ひかるという男役は完成しない」と考えていたと、GRAPHに書かれていました。
スタイルをキープするため、毎日鏡の前に立っていらっしゃるとか。
意識を高く持つことは、自信にも繋がるとのこと。
愛月さんのようにストイックに美しさを求めるのはとても無理ですが、心に留めておきたいと思います。
未読の方にはぜひ、宝塚GRAPH9月号を読んでいただきたいです。
愛月さんの魅力を、改めて感じていただけるはずです。
白い軍服姿を披露
今回のショーでは愛月さんが演じたいと願っていた「うたかたの恋」をオマージュした、白い軍服姿を披露されています。
正統派男役として美しさを追求する愛月さんだからこそ、男役の真価を問われる軍服姿が、うっとりするほど素敵なのでしょう。
華やかで美しい男役としての愛月さんを、千秋楽まで応援したいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。