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宝塚歌劇の裏側~版権交渉の難しさと戦略〜

宝塚歌劇を楽しもう

原作サイドとしても新たな境地での展開というのは新規ファンの獲得であったり話題作りともなりますからプラスの要素もありますが、それと同時に元々のファンの皆さんの反応であったりどんな演出を施されるかによってその作品を大切に扱われているのかどうかを判断したりと難しいところでもあります。


しかし宝塚としてもこの作品を是非とも今のあのトップスターのいるあの組で上演したい!という熱い気持ちもあるわけでして、双方の様々な利害が一致するからこそ上演に繋がっているというわけです。
そんな重要な縁の下の力持ちとも言えるポジションが企画室の方々です。

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版権交渉の難しさと戦略

実はアメリカ作品の原作サイドは内容を含めて一切の改変を許さないことが多いんです。

一方ヨーロッパでは原作の著作権と衣装や舞台セットの著作権が分けられており、ストーリー以外の部分は全てオリジナルであることを求められることが多いというかなり変わった方向性をとっています。

国内作品となると割と原作者・著作権元により対応はかなり変わってきます。

設定だけ合っていればあとはご自由にどうぞ、というものあればお衣装から小道具にわたるまで子細に再現を求められることもあります。

そう考えると相手によって交渉手段も変わってくる上に言葉も変わってきますから大変ですよね…。

高額な版権購入とその解決策

そして特に海外作品ともなるとその版権を購入するには大きなコストがかかります。

いくら100年以上続く宝塚歌劇団とはいえ1回の上演だけでは元を取るのが難しい場合も。

そんな時に助けとなるのが、宝塚が5組持っている強みと、同じ阪神阪急ホールディングスである東宝ミュージカルとの協力です。
一つの作品を複数の組や東宝ミュージカルで上演することで、版権費用を効率よく回収する手法。

特にこれはミュージカル「エリザベート」で見られる現象ですよね。

余程その作品が好き!という方以外からすると正直なところ「もうその作品は見飽きたよ…」と感じてしまうかもしれませんが、劇団を円滑に運営していくためには仕方のないことですから今後もそういった同じ作品が複数の組で上演されるといったことがあれば企画室の方々が頑張った結果なんだな…と考えるようにすると良いかもしれませんね。

今後の上演作品についての予想

星組さんにて上演される「1789-バスティーユの恋人たち-」が6月2日より上演されます。

かつて月組さんで上演され、その後東宝ミュージカルでも上演されていました。

今回まだ他の組や東宝での上演は予定されてはいませんが、もしかするとまたあるのかな…?なんていう予想も版権事情を知っているとできたりするので面白いですよね。