宝塚歌劇団の「雪組」の何を知っているの? と問われれば、
きっとたいしたことはなにも言えない若輩者の私ではありますが…。
それでも、「これぞ宝塚歌劇団雪組の公演だ!」と自分の心が叫びました。
残念ながら、望海さん体制になってからの雪組公演とはなかなかご縁がありませんでした。
頼りっきりの友の会様にチケットをご用意いただけないor自分の予定がどうにもこうにもつけられないことが続き、
なんと昨年の『凱旋門』『Gato Bonite!』以来ご無沙汰していたという縁のなさ。
ちなみにその公演が、望海さん率いる雪組との初対面でした。
ヅカファンとしては非常に実力不足の筆者です(笑)
そんなこんなで、久々に観る雪組公演。
前トップの色を継承しながら雪組らしさを守り抜いている
最も驚いたのは、自分がこの期に及んでなぜか懐かしさを感じていたということ!(笑)
1年ぶり、2度目の、トップスター・望海風斗さん率いる雪組公演のはずなのに、いい意味で既視感がある。
それだけ組が安定しているということでしょうか。
この謎の懐かしさをもう少し深掘りしてみました。
すると、どうも私は、今そこにいるはずのない前トップコンビ・ちぎみゆ(早霧せいなさん・咲妃みゆさん)の面影を感じ、懐古していたようす。
そういえばあの頃は、足繁く雪組公演に通うことができていたものでした。
こんなにもはっきりと、前トップの色を継承しながら、その組らしさも守り抜く組が、人が、かつてあっただろうか。
…なんて、ファンとして実力不足の筆者など105年の歴史を誇る宝塚歌劇団の名においてはミジンコのような存在であるにも関わらず、なにを偉そうに。
と、我ながら深く深く、海よりも深く、反省しているのですが、それでも言葉にしてしまうほど、そう感じました。
誠実な望海さんと、尊敬する彼女に付き従う組子全員が、早霧せいなさんと咲妃みゆさんをもまた尊敬し、学んだことを自然と舞台に生かしているのではないかと思います。
さすがは宝塚、さすがは雪組。
そこは、色んな形をした“愛”が飛び交う世界でした。
それから、「実は私たち、私服も袴です」、と言われたとしても、疑う気にもなれないほど袴が似合うのはなぜですか、雪組の皆さん?
…はい、すみません、これは愚問でした。深掘りするまでもありませんでした。
屈指の美貌に似合わぬ衣装など存在しません!!!
ただ、着こなしや着用時の身のこなしといった部分は、着実に継承され、各々に培われてきたものなのでしょう。
努力を怠らない美の化身たちは一体どこまで行ってしまうのであろうか…。末恐ろしい…!
和物の雪組、という言葉が存在するので、『壬生義士伝』という和物ミュージカルでその実力や雪組らしさが遺憾なく発揮されるのは、ある意味自然なことなのかもしれない。
トップ2人の運命的な出会い
ですが、また驚かずにはいられないのが、ショー『Music Revolution!』の方でもそよ風のごとく漂う、いい意味での懐古感。
よく考えてみれば、雪組5年生の望海さんと、雪組3年生の真彩ちゃんが率いているのですから、さらに凄いですよね。
つい数年前までは雪組に縁のなかった2人が、雪組で再会を果たして、こんなにも雪組らしいトップコンビになるなんて…。
この事実だけで1本のミュージカルが完成してしまいそうです(笑)
運命の人や運命の場所って、あるんですね♡
観劇中は、こちらまで身体が動き出してしまいそうなほど観ていてワクワクするショーに、終始大興奮の筆者でした(笑)
89期生
さらに、私個人としては、このショーを語る上でやはりどうしても外せないのが、89期ファンなら胸を熱くせずにはいられないはずの、あのトリオ!
その名も、望海風斗・沙月愛奈・そして専科の凪七瑠海。
3人がセンターに集うと、同期云々も然ることながら、それ以前に揃いも揃ってこのショーを、数々のシーンを、そして組や劇団を、背負って立つ素晴らしいスターが大集結!という感。
今、旅立つ同期が多いこの期が、今、ここに集うからこそ美しいというか、切ないというか…。
ああ、思い出すだけで目に洪水警報が発令されそうです…!
やっぱり宝塚って、いいですね!
105年、続いてくださって、これからも続いてくださって、おもさげながんす!!(笑)
著者:有田だりあ