今回は、宝塚歌劇団の最大の魅力「女性が男性を演じる男役を楽しむ方法」について書いてみたいと思います。
演劇の中でミュージカルでは「歌・芝居・演技」をするといった三要素がかかせないわけですが、宝塚歌劇団は100年の歴史があり、そのオンリーワンの魅力「男役の芸」というものがある。
それでは、一つずつ「男役を楽しむ方法」についてみていきましょう。
髪型・カツラ・ウィッグ
男役の髪型は、各公演によって短髪、短髪の時のおでこにかけての前髪ハラリ、日本物の鬘、ショーではロングヘアと様々な表情を見せてくれる男役のビジュアルをさらに引き上げてくれるポイントです。
特にロングヘアは、女性が演じる男役ならでは魅力の一つであり、ロングヘアの場合には、男役を後ろ、横から見た場合は、女性的美があるのに対して正面から男役を見た際には、そのメイク、造形により男性である。
この両性の魅力・中世的な耽美なビジュアルを堪能できる男役のロング・ヘアが私は大好物である。
また、王道のスタイルとして、黒燕尾で踊る際にはオールバック。
近年は、ウィッグ技術の向上により、左右片方に流すアシンメトリーなスタイルがあり、男役の髪型も日々進化しているので、この辺もぜひ、注目して観劇して見ていただきたいのです!
お化粧
男役の化粧は、アイライン、つけまつげ、唇のカラーチョイス、もみ上げの書き方と個性がもっとも表現されるところである。
宝塚出版の全生徒の乗った「おとめ」
月一回定期発売される「歌劇」「宝塚GRAPH」
といった雑誌には、宝塚の生徒さんの舞台写真に加えて、オフのポ―トレイトが掲載されています。
ぜひ、舞台メイクと普段のナチュラルメイクと比較することで、生徒さんのメイクセンスも含めて楽しむことができます。
目線
男役の楽しみ方を髪→化粧→順番に書いていますが、続いては、目線です。
男役は、ヅカメイクによって、目が協調された造形になります。
この投稿をInstagramで見る
その中でも、お芝居で見せる悲しみの伏目、苦悩の際には眉間をよせた視線、客席への熱視線、ショーで見せる「流し目」、アイドル系の「ウィンク」官能的な両目を閉じた表情。
と芝居、レビューの中で、私たち観客に訴えかけてくるのが男役の目線です。
私は、ショーでの流し目が特に男役の楽しみである。
男役の所作
男に見せる男役芸の神髄、女性を男に見せる圧倒的魅力
ひと昔前には、男役10年という言葉あり、男役の一定の到達点として10年かかるとの逸話が宝塚にあった。
現在は、宝塚音楽学校の予科・本科の2年間でベーシックな男役の所作のベースは作られてきている印象がある。
その理由を考察すると音楽学校の講師陣のレベルアップや一番は音楽学校講師職就任された元トップスターの「紫苑ゆうさん」こと、シメさんの教育力だろう。
さて前置きが長くなったその所作について語っていきたい。
まず、髪の毛を片手、もしくは、両手で後ろへ流すセクシーな所作。
これは、真矢みきさん、春野寿美礼さん、水夏希さんそして、現花組トップの明日海りおさん等黒燕尾でのオールバックの時などに見ることができる。
これは、男役が魅せるセクシーな所作の一つだ。
よく考えてみれば、実際の男はこんな仕草をすることは少ない。
女性が髪を触るといった仕草を男に扮した男役がする。
男女の中世的で官能的で色気を感じる所作といえるものだろう。
この色気こそ、男役を楽しむ方法の肝なのである。
グラスを持ち方
グラスを持つ際には、グラスの上を親指から人差し指、中指三本で上から持つ。
心理テストでいえば、ナルシストの持ち方。
男役がグラスを持つときの指先、指さばきは男役の楽しみ方の一つである。
トレンチコートの持ち方
横半分に折りたたんだら片手にかけて持つ、これはリアルな男性の所作であり、リアルと感じる男性的な所作の一つである。
スーツのズボンに手を入れるとき…
世の男性は、ポケットに対して指をすべて入れる。もしくは、親指だけ入れる。
宝塚の男役は、ズボンに手を入れ親指だけ出してズボンつかむ。
これは、宝塚の男役独自の所作である。
スーツのお芝居の時は、男役のズボンから手のラインに注目してみよう。
最後に
以上、宝塚歌劇団の男役の楽しみ方、魅力について書かせていただきました。
男役10年と言われていますが、入団7年目までは新人と呼ばれ、
本当に男役さんは、トップスターになるまでに10年以上かかっています。
この長い時間かけて磨き上げられた男役の美しさの繊細なところまでぜひ、劇場に足を運んで舞台を堪能していただけたらと思います。