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花組トップ娘役・華優希は明日海りおと心で通じ合う

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団花組トップ娘役に就任した華優希への厳しい意見を多く目にする。

それらを見ることが、近頃悲しくもあり、あまりツイッターを開かぬようにしていた。

がしかし、先日、花組公演を観に行った際、「華ちゃんは、素晴らしい娘役さんだわ…!」と、とても感動したため、改めてツイッターをのぞいてみると、そこには彼女を応援する言葉がたくさん溢れていて、思わず涙が出た。

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演出家も認める華優希の実力

華優希のトップお披露目公演『A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!』。

花組トップスター、明日海りおの退団公演でもある。

この公演の演出家、植田景子先生は、「このトップコンビをこの1作で終わらせるにはもったいない。」と話していらっしゃった。

華優希は、正直まだまだ未熟な部分をいくつも抱える若手の演者ではあるだろう。

コンビとなる明日海りおとの年齢差も一回りをこえる。

それでもなぜかこの2人、恋人役をするにぴったりだと感じたのだ。

印象的なのが、華優希がフェアリーテイルの制作秘話を語る番組『ステージドア』で言っていた言葉である。

「明日海りおさんの空気の中にすぽっと入りたい」。

この表現、まさにこの2人の雰囲気そのまま表していると感じるし、彼女は確かに明日海りおの世界へ何の抵抗もなく、すっぽり入ってしまいっているように思う。

それは、明日海りおを心から信頼し、尊敬できるからこそであり、やはり年齢が離れていることもここに良い意味で加わるだろう。

この2人は、プラスの化学反応を起こした、とても魅力的なペアだと言える。

そしてまた明日海りお自身も、彼女を受け入れ、そして受け止め、大きな心で見守っているのを見て取れる。

フェアリーテイル初日後のインタビューがスカステで放送されていたのだが、その中、華優希は
「緊張もするが、楽しみたい」との言葉を言っていた。

するとすかさず、隣にいる明日海りおが「それが一番だよ」と声をかけたのだ。

ストイックなことで知られる明日海りお。

自分自身だけでなく、相手役の娘役にもそれは求められる。

しかし、彼女の「楽しみたい」という言葉を尊重し、「それだけじゃだめだよ」ではなく、「それで良い」と肯定した。

これには少しばかり驚いた。明日海りおは華優希のことを、心から応援していると確信した。

演者である前に、1人の人間

まず先に言っておくが、どんな演者であっても素晴らしい舞台を作る上で努力することは当たり前だ。

ましてや歌にダンス、演技とまだまだ伸び代のある華優希であれば、演者として、これからもっと自分の技術を磨いていく必要があるとは思う。

完成度の高さをとことん求める明日海りお。

そんな彼女がどうして華優希に対してはそれほど厳しい態度を見せないのだろうか?

あまりに優しすぎやしないか?と言った意見もあるらしいが、その理由として「自分と組むのが今作で最後だからなのでは?」とも言われる。

個人的な意見にはなるが、明日海りおが華優希の頑張りを認めているからなのでは、と思うのだ。

というのも、『恋するARENA』の裏側を密着する番組『ASUMIに恋スル2日間@横浜アリーナ』の中にて、明日海りおは華優希のことを「一生懸命さが伝わる人」と言っている。

観客として、彼女の頑張る姿、誠実さはこちら側にだってきちんと伝わるものは確実にあると感じてもいる。

華優希の凄いところは、できない、足りない部分を小手先のテクニックなどでどうにかしようとしないところだ。

誰かの真似をしてどうにかうまくやり過ごそうともしない。

彼女は、自分自身で、舞台上で戦っている。

実力が伴わないのは、やはり経験不足であることも理由のひとつだろう。

しかし、それを「恥ずかしい」「自分なんて…」と、自己嫌悪に陥ったりすることなく、諦めることなく、努力し続けている。

どんな人間であれ、自分に課せられる課題や責任にプレッシャーを感じ、逃げ出したくなることを経験するはず。

それがもし、あの大劇場の舞台であったなら、果たしてどうだろう。

20代半ばの1人の女の子が、自分の運命と日夜戦い、そして現実から逃げず、立ち向かう様。私は彼女と同じ1人の人間として、その姿勢を評価したい。

華優希にしかできない舞台が観たい!

花組には素晴らしい娘役さんがたくさんいる。

同期にいる、歌も演技も素晴らしい音くり寿もまた、舞台上でかなりの存在感を放っていることは事実。

華優希は、そんな環境の中、周りと自らを比べ、焦ることもあるだろう。

余計なお世話かもしれないが、宝塚は順位づけされる世界だ。

その環境下で生きてきたならば、やはり周りと比べることは普通であろうし、いくら仲間であってもやは最後はライバル。

その中でも彼女は自分自身の中心部分を見失わず、しっかり両足で立っている。

そして、自らに課せられた試練から逃げず、昨日の自分と勝負し続けているではないか。

彼女は素晴らしい演者だ。

どんなバッシングにも負けず、この先、彼女らしい、彼女にしかできない舞台を観せて欲しいと心から応援する。