あるファッション誌をパラパラとめくっていたら、タカラヅカ、またタカラヅカ、またまたタカラヅカ!
と、計12ページがタカラヅカに関することで埋め尽くされており、感動せずにはいられませんでした(笑)
筆者がタカラヅカにはまった十数年前は、おそらくファッション誌等で、こうも度々お目にかかれることはなかったように思います。
それが今や、犬も歩けば棒に当たる、とまでは行かずとも、ふらりと立ち寄った本屋さんでなんとなく手にした雑誌にジェンヌさん!は十分ありうる。素敵な世界ですね。
さらには、有名な漫画や小説を原作とした話題作を続々と成功させるなど、近年加速度的に新規顧客獲得へ踏み込んでいる宝塚歌劇団。
観客動員数も過去最高記録を打ち立て、その勢いは留まる所を知らないようです。
このように、着々と世間一般へ布教されていく中ではありますが。まったくタカラヅカへの見識がない人に、「私(僕)はタカラヅカが好きです!」と言えますか? 言っていますか?
一方で、ヅカファンの皆さまの中にもいらっしゃるかと思いますが、ディズニーがお好きな方。「ディズニーが好きで、○○というキャラクターが好きです!」という宣言なら、おそらくためらうこともないのではないでしょうか。まず知らない人はいないだろうし、より共感も得られそうですもんね。
顧客満足度指数では毎年肩を並べ、近年では互角かそれ以上の高得点を叩き出している、宝塚歌劇団とディズニーリゾート。
にも関わらず、ファンがファンだと公言することへの心持ちが少々違う気がするのは、不思議な心理だなぁと、思うものです。
かく言う筆者もおおっ広げにヅカファンであることを公言することもなく、むしろ「そんなにディープなファンではないけれど~」くらいに留めてしまいがちです。
実際のところは、月1回以上は大劇場に出没しますし、白い服を着て出待ちの列に並んだこともありますし、キャトルレーブで爆買いしたことだってあります(笑)
今年でファン歴も研12、そこそこファン極めてきたかな~とも思います。
夢の世界「タカラヅカ」をもっと身近に!
タカラヅカって、こんなに高潔な世界なのに…!
右を見ても左を見ても美しく、そんなスターたちの立ち居振る舞いや語る言葉はいつだってひたむきで、毅然としていて。
筆者のような凡人には想像を絶するほどの苦悩と努力を一身に受けているでしょうに、なんと健気なことで、感動いたします。
タカラヅカは、ほとんど毎日、全国のどこかの劇場で公演を行っており、チケットも高価なものなら1万円を超えますが、安価なものなら数千円で手に入ります。(残念ながらチケットがない、ということはこの頃わりと頻繁にありますが。)
最初に引き合いに出したディズニーリゾートよりも、実はずっと身近な存在なのです。
タイムリーなことに、今年の4月より、東京ディズニーリゾートは再び値上げに踏み切ると報じられるではありませんか。
それでもタカラヅカはもしかしたらまだ「誰もが“正しく”認識している世界」ではないのかもしれません。
たしかに、最近でこそ布教活動が盛んですが、自らを遡って考えてみたら、タカラヅカをきちんと知る以前は、タカラヅカという、女性が男性の役を演じる稀有な劇団がこの世に存在するということを頭の片隅で知りつつも、「観に行こう」と思い立たなければ触れられない世界で、どこか自分には遠い存在のような気がしていました。
そもそもミュージカル自体が高尚で遠い世界だったようにも思います。
ここに、ヅカファンがヅカファンを公言しづらい要因があるのではないでしょうか。
ですが、今やミュージカルブームも巻き起こっていますから!
ジェンヌさんが取材に引っ張りだこになりすぎるのは心苦しいですが、普段とはまた違ったさまざまな角度から彼女たちの素晴らしさにスポットが当たり、「タカラヅカって、タカラジェンヌって、すごい!」という事実が広まることは、ファンとしても嬉しいことです。
正しく知れば、きっと引き込まれる、そんな尊い世界。
それがタカラヅカ。
すべてはきっかけに過ぎないのです。
すべての人に愛してほしいとは言いませんが(チケットがレアになりすぎても困りますし…(笑))、こうしてタカラヅカに触れられる機会が増えてきた今、すべてのヅカファンが堂々と「私(僕)はヅカファンです!」と言える時代が来ることを願っています。
そして同時に、タカラヅカの恥にならぬよう、清く正しく美しいファンで居たいと思います。
著者:有田だりあ