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宙組で妄想キャスティング『ガラスの仮面』

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団では100年以上に渡って多種多様な作品を上演してきました。

その中でしばしば見られるのが漫画原作ものです。

もともとジェンヌさんの美しい顔面や素晴らしいプロポーションは少女漫画の作画そのもの、相性が良くないはずがありません!

宝塚歌劇の代名詞ともいわれる『ベルサイユのばら』を始め、多くの作品が宝塚によって新たな生命を吹き込まれています。

素敵な漫画作品を見つけると
「ご贔屓にこの役をやってほしい!」
「今の○組にぴったりじゃない?」などと思うことはないでしょうか。

ここでは、そんな漫画の名作を演出家の先生になったつもりでキャスティング! ああだったらいいな、こうだったらいいなと想像して楽しんでみます。

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宙組で『ガラスの仮面』

『ガラスの仮面』は、連載開始から40年以上経ってなお完結していないという少女漫画界屈指の超大作。

貧しい少女・北島マヤが、類まれな演技の才能を開花させ女優として命を燃やす、熱い人生の物語です。

笑い、涙、夢、挫折、友情そして恋……時代を超えて愛されるのも納得の魅力がたっぷり詰まっています。

未完ながらも、その人気からすでに何度も舞台化されている『ガラスの仮面』

舞台に命を燃やすおとめたちの集まりである宝塚で上演してぴったりでないはずがない! 

今回は物語の始めから、中盤の山場のひとつとなる『奇跡の人』上演あたりまでを描く設定で妄想します。

配役には全く関与しませんが、演出はぜひ小柳奈穂子先生にお願いしたいと思います。

主な妄想キャスト

主な配役 妄想キャスト
(2020宙組)
北島マヤ (一見平凡だが天才的な演技力を持った少女) 星風まどか
速水真澄 (大プロダクション大都芸能の若き敏腕社長) 真風涼帆
姫川亜弓 (美貌輝く芸能界のサラブレッド、マヤのライバル) 夢白あや
桜小路優 (劇団オンディーヌの実力派俳優、マヤのことが好き) 桜木みなと
聖唐人 (大都芸能を影から支える男) 芹香斗亜
月影千草 (劇団つきかげ主催の元大女優、マヤの師匠) 美穂圭子(専科)
速水英介 (大都芸能の会長、真澄の父) 一樹千尋(専科)
水城冴子 (冷静沈着な速水真澄の秘書) 遥羽らら
青木麗 (劇団つきかげ団員、よく美男子と間違えられる) 和希そら
姫川歌子 (実力と美しさを持った女優、姫川亜弓の母) 花音舞
姫川貢 (高名な映画監督、姫川亜弓の父) 寿つかさ
乙部のりえ (マヤを陥れ芸能界に入ろうと近づく少女) 天彩峰里

*妄想の上演ということで、配役の表記は番手にとらわれない順番となっています。

 まず星風まどかさんの圧倒的北島マヤ感!

素朴な「一般人」のお芝居というのは、宝塚的にはかなり難しいもの。

その点、星風さんの実力は『天は赤い河のほとり』の夕梨役でばっちり示されています。

幕開きではぜひ中華料理屋のおかもちを下げて、客席から登場していただきたいものです。

真風涼帆さんの超圧倒的な速水真澄感!!

スラリとした長身、切れ長の目、上質なスーツをシックに着こなす姿は完全に原作そのものです。背景に舞う紫のバラが見えます。

星風さん=マヤとの身長差も最高。「チビちゃん」なんて呼ぶと思うとたまりません……。マヤへの思いに戸惑う姿などさぞ絵になることでしょう。

『ガラスの仮面』の大きな見どころのひとつは、マヤと姫川亜弓のライバル関係です。生まれも育ちも全く異なる2人が、演劇という1点で交わり、最大の敵ながら最高の友となる。なんとドラマチック!

そんな姫川亜弓には、夢白あやさんを。

まずもってお顔の華が姫川亜弓です。登場しただけで「芸能界のサラブレッド」という言葉に分厚い説得力が生まれます。

若手ながら飛ぶ鳥を落とす勢いで抜擢が続く夢白さんですが、その躍進のうしろには大きなプレッシャーと血の滲むような努力があることでしょう。

「天才少女」と呼ばれながら、実は努力の人である姫川亜弓に重なるものを感じます。

忘れてはならないのが、マヤを巡る三角関係。

速水真澄の恋敵となる桜小路優は、桜木みなとさんにお願いします。

名前の「桜」だけでもう運命のはまり役ではないかと思います(大げさ)。

最近はクセの強い濃いめの役が多かった桜木さんですが、タレ目を活かした優しい笑顔と爽やかな空気はまさに桜小路くんそのもの。

「演劇を好きなマヤ」が好きだけれど、それゆえに自分を見てはくれないことに寂しさも感じる……という葛藤を、磨きのかかった演技力で魅せてくださること間違いなしです。

そしてマヤを演劇の世界へと導く月影千草には、専科より美穂圭子さんをお迎えします。

月影先生とマヤが出会ったことから全てが始まる『ガラスの仮面』。伝説の大女優でありマヤの師匠である月影先生の威厳なくしてこの作品は成り立ちません。

もちろんお約束の「恐ろしい子……!!」もお願い致します!

出番は多くないながらも静かな存在感で印象的なのが、大都芸能の影の仕事を請け負う謎の男、聖唐人の存在。本来であれば二番手さんがやるような大きさの役ではないかもしれませんが、ミステリアスな魅力と真澄=真風さんとの表裏一体感はぜひ芹香斗亜さんで見てみたいです。

あの絶対に邪魔なくらい顔にかかった前髪から芹香さんの鋭い眼差しが覗くところなど、想像しただけでたまりません!

お役の大きさに関しては、小柳先生の素晴らしい筆力と愛でぜひカバーしていただきたいと思います……。

脳内上演で楽しくステイホーム

とにかく長編なので、魅力的な登場人物も尽きないガラスの仮面。長い物語のどこを切り出すかによってもまた印象が変わってきそうです。

皆さまもぜひ頭の中でキャスティングを楽しみながら、様々な作品・生徒さんの魅力を再発見してみてください。

このご時世で観劇は叶いませんが頭の中の上演は自由です。

せっかくの連休、脳内上演で楽しくステイホームしましょう!

ライター:松下梨花子

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