宝塚歌劇団花組の実力のある娘役さん、音くり寿さん。
彼女の同期は華優希さん、星風まどかさんです。
私個人の意見としてはトップ娘役の就任は可能性は大いにあったといっても過言ではなかったと思います。
しかし、先日、次回の大劇場公演「巡礼の年」で退団を発表されました。
今回は音くり寿さんがどれだけ実力のある娘役さんなのか
3つの点からお伝えしたいと思います。
1.舞台の技術がピカイチ
◎歌唱力
『はいからさんが通る』のエトワール、そして、元禄バロックロックでのツナヨシ役でかなりのインパクトを与えられたのは
もうご存じの方が多いことでしょう。
エトワールはそもそも歌唱力があるスターでないと
選出はされませんが、音さんはその水準を
はるかに超えていらっしゃると思います。
レトロな雰囲気でしっとりと、しかしながら力強さも持ち合わせています。
元禄バロックロックでは、音くり寿さんのツナヨシでお芝居全体をビシッと締めてくれましたね。
音さんにしかないオリジナリティがある歌声だと思います。
◎ダンス
娘役さんの中でもかなり小柄な方だと思います。
他のスターさんに隠れてしまうのでは?と思われがちですが
その小柄ぶりを感じさせないほど、実はダンスもできる方です。
歌唱力同様、時にたおやかに、そして時にキレッキレに。
あまり類を見ない、表現多彩な娘役さんと言えます。
このように舞台に必要な素養がありつつ、より一層レベルを高めてきているのは、ヒロイン経験も果たしているからです。
新人公演、東上公演のヒロイン経験あり
新人公演が1回、東上公演が2回。
回数的にはやや少なく、ダブルヒロインなので
なんだか起用が薄い?という印象があると思います。
しかし、過去就任されたトップの方々(男役・娘役含め)を見ると
たった1回の主演で就任された方もいらっしゃいますし、
中には主演経験がまったくないという方もいらっしゃいます。
大事なのは、こなした回数というより経験があるかないか、かと思います。
本公演の主演を演じる上では、ステップとして必ず
新人公演・地方公演・東上公演と、中小規模の公演で
何かしらの主演経験は必要かと思います。
ダブルヒロインとはいえ1人にかかる責任は同じです。
それを経て、音さんは現在味のある演技をなされていると思います。
そしてもう1つ重要なのが近年のトップ娘役さんも
経験豊富なスターさんが続々と就任をされています。
トップ娘役さんの遅咲き化
ここ数か月未定だった雪組、月組のトップコンビが研10超えの娘役さんになったことは記憶に新しいと思います。
・雪組 朝月希和さん 2010年初舞台⇒研13
・月組 海乃美月さん 2011年初舞台⇒研12
というような結果になっています。
一時期は全然だったのに、ある時突然脚光を浴び
そこからスター路線に乗っていくが娘役さんはしばしば起こります。
また遅咲きのトップスターさんも、長年の経験したからこそ
見れる演技の深み、歌声の響きなどが見れます。
男役以上に就任が不安定である要因ではありますが、
注目を浴びるチャンスはかなりあるといっても良いと思います。
まとめ
花組の音くり寿さんがトップ娘役さんになりえる可能性は大いにあり得たと思うのですが、ここでの退団発表はあまりに残念で仕方ありません。
今、音さんは花組には欠かすことのできない娘役さんのおひとりです。
このタイミングでの退団発表はとても残念で仕方ありませんが、退団後、音さんがどの世界で活躍されていくのかも楽しみです。
音さんだったら、外部のミュージカルの世界でも十分活躍できるでしょう。
今後の音さんの活躍は目が離せません。