宝塚歌劇団星組のトップスター紅ゆずる。
とうとうついに宝塚歌劇団を卒業してしまいました。
昨日ライブビューイングで観劇してきました。
台風で公演が危ぶまれて、ヒヤヒヤしていたので、映画館の席に着席した時には、「無事に紅さんとあ〜ちゃんを見送ることができる」とホッとしました。
そして観劇中は、涙涙。楽しいお芝居で、たのしいセリフの時もなぜだか涙がでる。
紅さんのセリフが、「まさに今日の日のためにあったんだ」と思う。
このお芝居は、今日が完成形だったんだと。
そして改めて、今日公演が無事に行われたことを感謝せずにいられない。
2部のレビュー、サヨナラショー、退団挨拶と全ての公演が終了し、家に戻った時には、もう泣きすぎて、頭が痛くてボ〜っとしてしまいました。
そして1日経って、なんだかまだ夢の中の出来事だったような気がしてならない。
本当に宝塚を楽しませてくれたジェンヌさんだった。
宝塚歌劇を一途に愛し続けて、宝塚が好きで好きで、
そして努力し続けて、諦めなかった。
「出演者、スタッフ、そして、お客さま、宝塚を心から愛する人が集うこの場所が私は大好きです。」
そう、紅さんが最後の挨拶で語った言葉。
「宝塚を作ってくれた小林一三先生、本当にありがとうございました!」と言った紅ゆずるさん。
そこに宝塚歌劇の原点というか、これからの宝塚のあるべき姿を見た。
小林一三とは?
数年前、私も宝塚を初めて知って、宝塚歌劇団ってどうやって作られたんだろう・・と疑問をもってしらべたことがある。
そして小林一三という宝塚歌劇を作ったすばらしい実業家のことを知った。
(阪急グループ創設者です)
そして、その小林一三氏が素晴らしいと思ったのは、何より、「お客様第一主義」を徹底しているところでした。
小林一三氏の構想した宝塚とは子供から高齢者、男女を問わず楽しめる大衆娯楽である「国民劇」を作りたいとの思い。
そこが宝塚歌劇の原点です。
まさに紅ゆずるもこの小林一三氏とまったく同じ思いをいつも持っていたに違いない。
「お客様第一主義」「お客様に楽しんでもらいたい」「誰でも楽しめる大衆娯楽である国民劇」
小林一三氏が作りたかったものをまさに紅ゆずるが体現してきてくれた。
そして、更にすごいな〜と思うところが、
まだ下級生の端っこのまだ実力のないこの紅ゆずるを育てよう!と、抜擢してきた運営者側の「見いだす力」。
目先の利益や評判などに気を取られたら、トップ紅ゆずるは誕生していないはず。
そして、こんな大きな大きな愛と夢の世界を作ってくれた小林一三氏と
見いだし育ててくれた運営側。それを体現してくれた紅ゆずる。
まさに奇跡。
私たちは、今、SNSなどでたくさんの情報がはいってくる世の中になり、タカラジェンヌの実力云々などの批判を、すごいスピードで目にする。
「上手・下手、綺麗・綺麗じゃない、スタイルいい、悪い」そんな一人ひとりのジェンヌさんの実力や容姿。
そうじゃない。そんなことじゃない。
「足を運んでくれたお客様が「楽しかった〜!来てよかった〜!」って思って
帰ってくれたかどうか」
大事なのはそこなんだよって。
宝塚歌劇に関わる全ての人が、この紅ゆずるが伝えてくれた言葉を聞き、
宝塚歌劇の原点をもう一度思い出す時だと思ったし、
元々知らないファンは新しく知るべきときなんだと思うのです。
「原点回帰」する時なんだ!!!!とそんな大きなものを感じる。
伝統的な宝塚歌劇男役をつら抜いた明日海りお。
そして
壁をぶち破り宝塚歌劇の原点を見せてくれた紅ゆずる。
宝塚歌劇も大きな時代の変化のこの時期に、大きなトップ二人が退団していく意味を考えたい。